プレシーズンゲーム2019「茨城ロボッツvs.横浜ビー・コルセアーズ」GAME PREVIEW

文=鳴神 富一

主力が入れ替わってチームを再構築した横浜

今回対戦する横浜ビー・コルセアーズは、チームの顔でもあったスコアリーダーの川村卓也を筆頭に、今までチームを支えてきた経験豊富な主力選手を放出し、チームを変革しようとしている。3シーズン連続のB1残留プレーオフへの出場という過去の悔しい経験から、攻守でハードに戦うことができるチームを目指し、今シーズンは新しいチームカラーでの上位進出を狙う。ロースターの大型化にも成功し、高さと速さがチームの武器に加わった。
トーマス・ウィスマンヘッドコーチは記念すべきBリーグ1シーズン目で栃木ブレックス(現宇都宮ブレックス)をチャンピオンに導いた名将である。「勝ち方」を知っている彼の手腕にも注目が集まる。今までの弱点でもあった勝負所でのディフェンス力をどれだけ改善して勝負強いチームへ変貌させることができるのか。横浜ビー・コルセアーズにとっては勝負の一年がスタートする。

今シーズン初のB1チームへの腕試し

「B2優勝・B1昇格」を今シーズンこそは達成しようとしている茨城ロボッツにとって、現状の自分たちの立ち位置を知る重要な一戦になるに違いない。自分たちが今遂行しているバスケがどれだけ通用するのか、シーズンを占う意味でも重要な一戦であることは間違いないだろう。相手の高さに対してどう対抗していくのか。特にリバウンドにおいてはチーム全体で奪い取る意識を持っていかないと相手にあっさりとセカンドチャンスを与えてゲームの流れを失ってしまうであろう。さらに、新戦力がどの程度チームに融合できているかを確認するには格好のテストにもなる。B1を知る小林大祐や二ノ宮康平のガードコンビを中心に、世界を知るニコラス・カナー・メドリーやダニエル・オチェフの経験でどれだけゲームの主導権を握れるかにも注目してほしい。

ゴール下での激しい主導権戦いに注目!

今回注目されるのが経験豊富で実績のあるインサイドプレーヤーの主導権争いだ。その中でもダニエル・オチェフとジェイソン・ウォッシュバーンが最も激しく熱いマッチアップになると予想する。横浜ビー・コルセアーズのブースターに愛されているジェイソン・ウォッシュバーンが今シーズン再び横浜の地に帰ってきたことにより、チーム自慢のオフェンス力において核となることは間違いない。しかし、そこにダニエル・オチェフが立ちはだかる。ビラノバ大学での全米制覇、そしてNBAやスペインリーグといった世界トップリーグでのプレー経験があるダニエル・オチェフがトップの位置で戦えた理由は自身のパワーを活かしたディフェンス力にある。相手をゴール下で自由にプレーさせることを許さない得意のブロックショットが何度もコート上で披露される。そうなれば茨城ロボッツがゲームのペースを握ることになり、勝利がグッと近づくであろう。

持ち味の激しいディフェンスから流れを掴め!

茨城ロボッツの今シーズンのテーマである「激しいオールコートでのディフェンス」で、どれだけ相手のオフェンスリズムを崩すことができるのか注目してほしい。ディフェンスから流れを掴み、自分たちの強みでもあった早い展開のオフェンスに繋げて相手を圧倒したい。過去のプレシーズンゲームでも良いチームディフェンスから相手を突き放す場面が何度も見られたことを考えても、ディフェンスからの早い展開はロボッツの一つの生命線ともいえる。B1に所属する格上の相手に「RUN as ONE」となって戦い、勝利という結果を掴み取ろう。

鳴神 富一(なるかみ とみかず)

1981年、北海道生まれ。生粋のどさんこ。大学は鳥取県で過ごし、現在は東京都在住。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営、スポーツジャーナリストとしてBリーグなどバスケを中心に各メディアに執筆や解説なども行なっている。「プレーヤーの声をリアルに伝える」が信念。一方でWEBディレクターとしての顔を持ち、スポーツとWEBの両軸で活動中。行動力と熱意で走り続け、大好きなリンゴと焼き鳥で癒され、岩盤浴とヨガで心身をメンテナンス。好きな言葉は「Nothing is Impossible」

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