3月27日、青柳公園市民体育館での最後の興行が行われた。茨城ロボッツを窮地から救ってくれた体育館のひとつであり、チームの成長とともにブースターの熱量が高まったホームでもあった。
『アダストリアみとアリーナ』は、チームやブースターにとってどのようなホームになるのだろうか。代表山谷に茨城ロボッツとしての姿勢について聞いてみた。

山谷拓志(やまやたかし)
株式会社茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメント 代表取締役社長 
1970年生まれ 慶應義塾大学経済学部卒業
リクルート、リンクアンドモチベーション勤務を経て、栃木ブレックスを創業。
日本バスケットボールリーグ専務理事を経て2014年より現職となる。
スポーツマネジメント分野における専門家としても注目を集め、「スポーツ経営論」「スポーツによる地域活性化」「モチベーションマネジメント」などのテーマでセミナー、講演、寄稿多数。元アメリカンフットボール日本代表選手。

応援というものは能動的でなければならない

茨城ロボッツとしは、一貫して応援・声援の先導は一切していない。それは、観ている人が前のめりになる状況、興奮してアドレナリンが出る状況は、受け身では作れないからだ。

「応援とは、応援される側が考えるのではないと思っています。自分から『このチームを応援しよう』とか、『ここは頑張らなきゃいけない場面だから声を出そう』とか、『声は出さなくてもメガホン叩こう』とか、能動的なのが前提だと考えています」

もちろん、MCに先導されながら声を出すことが間違っているということではない。自分の応援で選手を後押しする、自分が関与しなければ勝てないかもしれない。そう考えることが大事であり、そう思わせるプレーやアリーナ環境が重要だという。

「私たちは、試合に足を運んでくださった方たちを楽しませる立場なんです。一番は興奮するゲームをすることですが、音楽をかけたり、チアと一緒にダンスをしたりといった仕掛けで楽しませます。これはスポーツ観戦の原点だと思うんですよ。プロ野球もJリーグも応援の仕方を球団からはお願いしていませんよね」

茨城ロボッツのその姿勢は、山谷が栃木ブレックスで代表を務めていた時から変わってない。

「栃木と似た雰囲気ですねって言われますが、仕掛け方が一緒なんでしょうね。よく『日本人はシャイだから声を出さない』と聞くのですが、全然そんなことないんですよ。外国人だって周りが声を出していなければ躊躇する人はいっぱいいますから。臨界点があるんです。ある一定数の人が声を出すと自分も声を出したくなるんですよ。その臨界点を超えさせなきゃいけない」

応援の仕方に関してチームが先導することはないが、ブースターが行うことに対し、チームがフォローアップをすることはある。例えば、ブースターから始まった茨城県民の歌。ブースターが合唱している間はBGMを止め、歌詞がわからない人のためにスクリーンに表示している。

「茨城県民の歌は、阪神でいう『六甲おろし』ですね。ブースター自作の『デカメガホン』のように、自発的に盛り上げるブースターが増えると、連鎖反応が起こりますます盛り上がるでしょうし、チームとしても相乗りしたいと考えています」

『アダストリアみとアリーナ』での楽しみ方

青柳公園市民体育館との大きな違いとして映像装置がある。『アダストリアみとアリーナ』では、その映像装置を利用して来場していただいた皆さんに楽しんで欲しいと考えている。

「観客とインタラクティブ(双方向)になるんですよ。スタンドにいる人を映して『踊ってください』といった演出ができるようになります。観客の方と一緒に楽しめる仕掛けはやっていきたいので、是非楽しんで欲しいですね。家族連れで来るといい思い出になります。例えばKiss CAMは、日本で成立するか非常に大きなテーマですけど、一度はやってみたいなとは思うんですけどね(笑)」

現在、ロボッツではマッチョCAM(マッチョなポーズをしてもらう)は行っているが、NBAではKiss CAMはもちろん、エアギターCAMなどチームと観客が楽しめるインタラクティブな仕掛けが色々用意されている。近い将来、ロボッツでも面白い仕掛けが用意されるに違いない。

「プロスポーツはエンターテイメントでもあります。ディズニーランドと一緒で、キャストとして我々が迎い入れる方たちに楽しいなって思ってもらえる雰囲気を作らなければいけません。キャストとブースターとの接点は大切だと思っています。『アダストリアみとアリーナ』は勝って嬉しい気持ちを共感できる場にしていきたいと思っています。ホスピタリティにより重点を置きたいと考えています」

4月6日を迎えるのは楽しみだと話すが、通過点の一つに過ぎない。実際に運営をしてみて課題を早く見つけることが大事だという。
来場していただく皆さんにもっと楽しんいただけるよう、これからも試行錯誤を繰り返し、より良いホームへを創り上げていく。
試合会場が大きくなる分、青柳公園市民体育館で感じた熱量を維持するには、これまで以上の努力が必要だ。

ブースターを含めた『茨城ロボッツファミリー』の新しい挑戦がはじまる。

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