大学在学中から、茨城ロボッツの前身となる『HA!TORIDE BASKETBALL CLUB』に所属していたヘッドコーチアシスタントの岩下桂太は、誰よりも茨城ロボッツの歴史を知る男であり、誰よりも茨城ロボッツを愛している男である。
岩下が迎える4月6日は、運命的なものだった。

岩下桂太
1988年熊本県生まれ。ヘッドコーチ。筑波大学在学中からプロバスケットに携わる。
<プレー歴>
2007-2011 筑波大学
2011-2012 デイトリック茨城

<指導歴>
2012-2013 デイトリックつくばアシスタントコーチ(JBL2)
2013-2015 つくばロボッツアシスタントコーチ兼通訳(NBL)
2014-2015 つくばロボッツヘッドコーチ代行(NBL)
2015-2016 サイバーダインつくばロボッツアシスタントコーチ兼通訳(NBL)
2016- サイバーダイン茨城ロボッツヘッドコーチ
※JBA公認A級コーチライセンス保持

指導者としてバスケットを楽しみたい

子供の頃からプレーヤーとして活躍する以上に、指導者としてバスケットを教えたいという想いが強かった。それは、中学時代のバスケット部顧問から多大な影響を受けたことによる。

「とても熱心な先生でした。情熱がこもった指導をしていただいたおかげで、将来は学校の先生になり、バスケを教えたいと思うようになりました。清水先生に出会わなければ、今の私ははないと言っても過言ではありません」

高校時代はバスケット部の監督が不在という特殊な環境だったため、自分たちで考えて練習をしていたのだが、岩下にとって監督不在というのは好都合だったのかもしれない。当時からゲーム戦術の仮説を立てては、試行錯誤を繰り返すのが好きだったという。

「自分で技を開発しては喜んでいました。『これ試合で使えるわ〜』と(笑)。今思うとそれはただのステップバックで、NBA選手がすでにプレーしていた技ばかりでした。昔から凝り症でしたね(笑)」

体育教師になりバスケットを教えたかった岩下は、筑波大学へと進学する。当時、取手市を拠点にする『HA!TORIDE BASKETBALL CLUB』というチームが、JBL2(日本バスケットボールリーグ2部)に参入するために、活動拠点をつくばへ移し『デイトリックつくば』へと名称が変更されたタイミングだった。その頃から、岩下は選手兼コーチとしてチームに携わるようになる。『デイトリックつくば』は諸般の事情により、NBL(ナショナル・バスケットボール・リーグ)へ参入することは叶わず、現在の茨城ロボッツに繋がることとなる『つくばロボッツ』が立ち上がった。

敵にしか見えなかった

茨城ロボッツ

「当時は色々なことがありすぎて、記憶が殆どありません(笑)。常に『大丈夫なのか?』という不安しかありませんでした」

岩下と山谷が出会ったのはその頃だ。当時NBLの専務理事を務めていた山谷がつくばロボッツへ視察に入った時にふたりは出会う。当時の山谷の印象を岩下はこう話す。

「鋭い目付きで視察を行っている姿は、とにかく怖かったです。当時の僕には山谷さんは敵にしか見えませんでした」

つくばロボッツの経営悪化に伴い、山谷が代表となる現在の茨城ロボッツが誕生した。

「当時のチームは存続の可否をチェックされる立場でしたので、視察でお会いしたときは『敵だ!』と思っていましたが(笑)、それと同時に栃木ブレックスにて結果を出されている凄い方だと知っていましたので、一緒に働けるようになってとてもありがたいと思いました。敵だった人が味方になるって、なんだか漫画みたいですよね。当時は給与がきちんといただけることもままならなかった状況から、山谷さんが来てから経営が一新され毎月きちんと給与が支払われる喜びを知りました(笑)」

給与をきちんといただく。そんなことが当たり前ではなかった時代からチームを知る岩下の経験は壮絶だ。一方で常にポジティブに戦い続ける彼の原点を知った気がする。

しかし、その後も困難な道は続く。B2参入に必要となるつくば市の新体育館の建設が中止となり、再びチーム存続の危機に陥ったのだ。

水戸じゃなければ駄目だった

「拠点を水戸市に移すことでB2リーグに参入できる。山谷さんの英断は凄いの一言でした。僕は長年つくばで活動してきましたが、状況が好転するならば、活動するのは水戸でもいい。いや、水戸じゃなければ駄目でした」

ホームを青柳公園体育館にすることで、B2リーグ参入が無事に決まる。
3年という月日が経ち、青柳公園体育館はロボッツブルー一色で染まる素晴らしいホームアリーナへと成長した。そして、B1昇格に向けて5,000人を収容できる『アダストリアみとアリーナ』へ移転する事となる。
最も古くからロボッツを知る岩下はこの日をどのような心境で迎えるのか。

「アリーナをブルー一色にしたいですね。対戦相手からしたら、『茨城ロボッツのホームはやりづらいなぁ』って嫌がられるように統一感を出していきたいです。チームの士気も高まっていますし、試合を見に来てくださる方を喜ばせる下地は出来ていると思います」

たくさんの困難を乗り越えてきた岩下が、新しいホームアリーナで指揮をとる。

「4月6日を迎えるのは感慨深いですね。運命なんじゃないかなって思います。出来る準備をすべて行い、勝つ確率を最大限に高めていきます!」

茨城ロボッツを一番愛している男が指揮する、運命の試合がはじまる。

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