自分自身の強みを活かしてチームを勝利に導く

―今シーズン、チームは「B2優勝、B1昇格」という目標を掲げています。そのためにそれぞれチームの中でどのような役割を担おうと考えていますか。

ニック 身体能力を活かして攻守両面でチームに貢献できると思います。チームには素晴らしいシューターやバスケIQの高い選手も揃っています。さらにトニーはバスケを良く理解していて、非常に素晴らしいコーチです。チームメイトの長所を理解しているので、自分自身の良さを活かして、確実にこのシーズンは成功できると確信しています。

チェフ オフェンスではニックがアウトサイドでもプレーできるので、自分がインサイドでの強さを効果的に発揮できると信じています。ディフェンスでは身長を活かして、ブロックショットやリバウンドで大きな助けになると感じています。ニックはかなり経験があるので、彼と二人でインサイドで相手オフェンスをおさえるなど、貢献していきたいですね。

―ニック選手のスペインでの経験、オチェフ選手のNBAでの経験。お二人からみて、それぞれ日本バスケに対してはどのような印象をもっていますか。

ニック 映像で何試合か見たレベルですが、NBAやスペインリーグなど世界最高峰のリーグと比較するとフィジカルの強さやタレントレベルの差はあるかなと感じています。現実的な話として、Bリーグのレベルが低いと言っているわけではありません。実際に評判は世界でも非常に上がってきていて、さらに、日本全体のレベルも上がってきています。これからますますレベルが上がっていくと確信しているので、ここで戦えることは非常に楽しみです。

チェフ 何が違うというと考えるよりも自分自身の能力で実際に何ができるのかということを注視しているので、そこまで日本とNBAとの違いを考えたことはなかったですね。

―ニック選手はリバウンド、チェフ選手はインサイドでの強さが特徴的です。その長所を継続させるためにどのような努力をしてきたのでしょうか。

ニック チェフが先ほど「自分自身の能力で何ができるか」と言っていましたが、まさに僕にとっては、それがリバウンドです。スペインにいた昨シーズン、本当にリバウンドを頑張ろうと集中していて、結果としてリバウンド王になりました。やはり全身全霊を尽くして、自分のやるべきことを遂行するのが大事だと思います。ヨーロッパには非常に素晴らしい選手たちがいて、選手枠に関してもかなり限られています。その状況で自分自身の良さを確実に表現しないといけませんでした。

チェフ 自分自身が子どものころに、コーチからはとにかくディフェンスとリバウンドを頑張りなさいと言われていて、そうすればチャンピオンシップを獲得できると指導されてきました。コーチに言われていたことをできるようになるために、自分自身でリバウンドをとる方法や、ディフェンスで相手をおさえる方法をずっと模索してきました。さらに様々なコーチからアドバイスや良い指導をしてもらったからこそ、いまの自分があります。

―ロボッツの話から少し離れますが、世界を知るお二人がいままでの人生の中で一番印象に残っている試合を教えていただけませんか。

ニック メリーランド大学での一戦です。2004-05シーズンに強豪のデューク大学をアウェーで破って、自分たちが最終的にそのシーズン、カンファレンスチャンピオンに輝きました。デューク大学のホームコートで勝利を収めるのは非常に難しいと言われていて、あの試合は痺れましたね。マッチアップしたのがNBAでも活躍しているJ・J・レディック(ペリカンズ)だったけど、一生懸命ディフェンスしたのを覚えています。

チェフ やはりビラノバ大学で全米チャンピオンに輝いたゲームはもちろんですが…それ以外だと、ルーキーで迎えたNBA 2016-17シーズンでのプレーオフ、セルティックスとの第6戦です。あの試合は残り10秒で2点差で負けていたんですが、追いついて最終的にはオーバータイム
で勝つことができた。それが印象に残っています。

―74,340名が集結したアリーナで全米チャンピオンに輝いたときのことをお聞きしたいです。

チェフ チャンピオンになって当時のオバマ大統領に表敬訪問で会うことができたり、あとはフィラデルフィアのプロチームが優勝を祝福してくれたりとか、本当に人生の中でも特別印象に残る体験でした。

―そんな世界を知るお二人が選手として大切していることを教えていただけませんか。

ニック 自分は35歳と、アスリートとして高齢だから、トレーニングや食事をどうするのかが大切で、その部分をしっかりしないといけないですね。若いころのオフシーズンはしっかり休んでリラックスすれば良かったけれど、いまはしっかりトレーニングしながら食事にも気をつかわないといけない。普段の生活から自分自身のルーティンを大切にしています。

チェフ ニックと同じように、自分自身の体を同じレベルでキープできるようにするのが大事だと考えています。もう一つはメンタルを常に正しく健康な状態にして過ごすことにもフォーカスしています。

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