カール・バプティスト Carl BAPTISTEによる2018-19シーズン振り返り

大学卒業後、ヨーロッパでキャリアを積んできたカール・バプティスト。2018-19シーズンから茨城ロボッツに入団し、日本での挑戦初年度となった。今シーズンの茨城ロボッツ、そして日本でのプロバスケットは彼の目にどう映ったのだろうか。
(取材日:2019年4月26日)

カール・バプティスト Carl BAPTISTE
1990年12月31日生まれ、アメリカ合衆国出身。
ヨーロッパでのプロキャリアを経て、2018-19シーズンに茨城ロボッツに加入。208cmの長身ながらインサイドでのアタックのみならずアウトサイドシュートまで起用にこなし、攻守に渡りオールラウンドな活躍をみせる。

2011-14 デラウェア大学
2014-15 バスケット・ナバーラ・クラブ(スペインLEB Gold)→ AKE レルナカBC(キプロス Division A)
2015-17 カップファンブルク・ブルズ(オーストリアA)
2017-18 アイスベーレン・ブレーマーハーフェン(ドイツ BBL)
2018-19 サイバーダイン茨城ロボッツ(B2)

「2018-19シーズンは、バスケットボールをする上でも人生経験としても素晴らしいシーズンになりました。日本へ行くことは、バケットリスト(人生でやってみたいことリスト)の一つでした。それが、自分の仕事であるバスケットボール選手として実現することができたのは、とても嬉しいことでした。プロとして日本でプレーすることは初めてでしたが、シーズンを通して怪我に苦しんだという感じでした。個人的にはとても波があるシーズンでした」

カール・バプティスト Carl BAPTISTEによる2018-19シーズン振り返り

2018-19シーズンから、外国籍選手が4Qを通して『オンザコート2』となるルール変更があった。試合出場時間が必然と多くなる中、責任感の強いバプティスト選手は多少の無理をしてしまった部分もあるだろう。怪我に泣かされたシーズンでもあったが、日本で初めてプレーをしたバプティスト選手が、チームとして、個人として印象に残っているのはどのゲームだろうか。

「チームとしては、2月3日の信州ブレイブウォリアーズの2戦目です。ホームゲームで、1戦目は本当にタフな試合だったのですが、延長で負けてしまいました。しかし、翌日はチームとしてしっかり修正できて、最終的に10点以上の差をつけて勝つことができました。信州ブレイブウォリアーズという良いチームに勝てたことは、チームとして凄く大きな一試合だったと思います。個人としては、アーリーカップでB1のシーホース三河と試合をしたことがいい経験でした」

B1チームと戦えたことが良い経験と語ったバプティスト選手は、ロボッツがB1で戦えるだけの力があると手応えを感じたはずだ。しかし、『B2制覇・B1昇格』というチームの目標は叶わなかった。その時、バプティスト選手はどのような心境だったのだろうか。

「とてもがっかりしました。このチームは本当に能力があるので、B1に行けると思っていました。ブースターの方たちや運営会社の方たちにも申し訳ないという気持ちでした。自分たちが見えないところでも応援してくださっていたと思うので、とても申し訳ない気持ちがありました」

今シーズンの戦績は、ブースターもチームも、誰もが望んだものではなかった。日本のバスケットを初めて体験したバプティスト選手は、どうすればロボッツがもっと強いチームになれると考えているのだろうか。

「強くなるためには、チームが一体となり、チームとして成長することが必要だと思います。世界に目を向けてみると、どこの国とか関係なく、強いチームというのは一つになって戦い成長していくことで化学変化が生まれます。そうすれば成功に繋がることになると思います」

カール・バプティスト Carl BAPTISTEによる2018-19シーズン振り返り

スペイン、キプロス、オーストリア、ドイツなどヨーロッパの国々のプロバスケットチームで戦ってきたバプティスト選手が、バスケットをする上で大切にしているものはなんだろうか。

「1つ目は勝利、2つ目はコートに立ち続けること、3つ目はチームメイトと良い関係性を構築することです。1つ目は競いあう上で勝利にはこだわりたいからです。2つ目はバスケットボールプレーヤーとして仕事ができる期間は限られています。年齢を重ねると色々と厳しくなってくるので、出来る限りコートに立ってプレーし続けられるよう常日頃気を使っています。3つ目は良い人間関係があると成功に繋がるし、また楽しいシーズンにすることが出来るからです」

日本のブースターは素晴らしいと感じていたというバプティスト選手。日本のブースターはバプティスト選手にどのような影響を及ぼしたのだろか。

「色々な国でバスケットの経験がありますが、ドイツも素晴らしいブースターでした。リーグによってブースターも特色も変わってくるのですが、自分が所属するチームにはいつも良いブースターの方たちがいます。茨城ロボッツでも素晴らしいブースターの方と共に戦うことができました。日本人のブースターが素晴らしいという理由は、試合を通してずっとその場にいて応援をしてくれます。試合後は、一緒に写真を撮ろうと声を掛けてくださいました。ずっとサポートしてくださってくれるのは素晴らしいです」

チームが一つになること。そこに化学反応が生まれる。
チームとして『B2制覇・B1昇格』という同じ目標を掲げてはいたが、1つになりきることができなかったのかもしれない。
来シーズンこそは化学反応を生んで、成功に繋げていこう。

おすすめの記事