勝負の世界は結果が全てである。
しかし、その結果に至るまでのプロセスも、現場を見守る立場の人間にとってはとても重要なものだ。2018-19シーズンも残念ながらB1昇格という目標を達成することは出来なかった。その悔しさを胸に、今、GM上原和人はどのような想いでいるのか。

上原和人
<バスケットボールの主なプレー経歴>
小学校4年生でバスケットに出会い、ミニバスでは全国大会3位。
中学時代には茨城県選抜として、全国準優勝を経験。土浦日本大学高等学校、国士舘大学を経て、東京日産自動車販売の実業団チーム『東京日産ブルーファルコン』所属。日産自動車に就労しながら『大塚商会アルファーズ』へ所属。茨城ロボッツGMに就任後は、チームマネジメントとスポンサー営業責任者を兼務し領域を超えて活躍。

怪我に泣かされた2018-19シーズン

「2017-18シーズンは、最終戦の5月6日に敗戦し、中地区2位という非常に残念な結果で終わりました。悔しさが残る選手の中からいち早く再契約し、次のシーズンに向けてリフレッシュすることと、あと一勝出来なかったのは何が足りなかったのかを考えました。足りなかった部分を補強し、優勝を経験した選手が少なかったので、リーダーシップのあるベテラン選手、経験値の高い選手を獲得しチーム編成を考えました」

その最中、大黒柱として期待していたリック・リカート選手から突然引退の申し出があったのは6月中旬だったという。当初予定していた茨城ロボッツのチーム編成に少なからず影響があった。

「2017-18シーズンが終わり来日予定日を決めてリカート選手が帰国し、家もそのまま借りている中、エージェントからリックが引退したいという内容のメールが届きました。リックはBリーグ初年度から加入していましたし、チームの大黒柱だったので引退はチーム編成に大きく関わってくるので、結構な衝撃がありました。ただ、チーム編成についていくつか考えは持っていたので、その中の一つを採用し今シーズン挑んだという形になります」

メインとなる外国籍選手をどうするかを考え、前シーズン川崎ブレイブサンダースに所属していたジョシュ・デービス選手を獲得することになった。しかし、膝の調子がシーズン開幕に間に合わず、結果、帰国して手術を受けることになった。
ジョシュ・デービス選手の怪我に始まり、シーズン中も外国籍選手の怪我が続いてしまった。そこでアンドリュー・ランダル選手に白羽の矢が立った。

「10月27-28日の群馬クレインサンダーズ戦で1戦目は勝ったのですが、2戦目でラマート選手とバプティスト選手が怪我をして負けてしまいました。デービス選手の復帰は見込めなかったので、インジュアリーリストに入れ、アンドリュー・ランダル選手を獲得しました。外国籍選手の怪我の影響と、ランダル選手のシーズン途中加入によって戦術が変更になり、チームのリズムに影響が出てしまいました。12月9日のバンビシャス奈良戦(2戦目)、12月12日の福島ファイヤーボンズ戦に負けてしまい、チーム内で『あれ?どうした?』という空気になりました」

茨城ロボッツ2018-19シーズン振り返り

調子が上がっていくと選手の怪我によって調子が下がってしまう。チームの浮き沈みが多く見られるシーズンだった。

「コーチとチームを立て直さなきゃいけないと話していたところ、12月15-16日のFイーグルス名古屋戦を良い形で連勝することができました。遠征が続き、12月22-23日の香川ファイブアローズ戦も連勝し、12月29-30日の仙台89ERS戦も1戦目は敗戦したものの、2戦目勝つことが出来てチームの流れが良い方向に変わってきました。僕の中で勝負は1月5-6日の熊本ヴォルターズ戦だと考えていました。チームの真価が問われるところで連勝してくれて、1月14日の青森ワッツ戦も勝ち、さあ、チームが上がっていくぞという雰囲気の中で、アンドリュー選手、バプティスト選手、ジャーラ・志多斗選手の3人が怪我をしてしまいました」

3人の怪我に加え、1月18−19日の島根スサノオマジックの1戦目でラマート選手も怪我を負ってしまう。そこからチームは5連敗を喫した。
4月21日の今シーズン最終戦。怪我の影響で外国籍選手が出場できない中、敗戦はしたものの福島ファイヤーボンズと終盤まで互角に戦えていた。外国籍選手がいないというのはやはり厳しいのだろうか。

「ロボッツの選手は、元々持っている能力は高いのですが、外国籍選手には高さがあり、リバウンドとかペイントエリアでの攻防が非常に不利です。前半はうまくペイントエリア内を守れていましたが、後半ゴール下で殆ど得点を入れられてしまいました。外国籍選手の存在は大きいです。1月18-19日の島根スサノオマジック戦でも相手チームの外国籍選手を抑えることが出来ませんでした」

本当に怪我に泣かされたシーズンだった。外国籍選手は自分が出場しなければいけないという思いが強いだけに、多少の無理をしてしまう。その結果、怪我に繋がってしまうことがあるのだ。

「今シーズンの外国籍選手の怪我は予想できませんでした。靭帯が切れたり、骨折したりというものではなかったですが、バプティスト選手の怪我は、遡ると10月の山形ワイヴァンズ戦に向けた練習の最中に捻挫したものが響いて、腰や股関節に影響が出てしまった。バプティスト選手自身も自分のキャリアの中でこんなに怪我に泣かされたシーズンはなかったと言ってました。ただ、本当に強いチームというのは、そういうアクシデントがあってもカバーしあえるのですが、それが出来ませんでした。アクシデントがあっても補って勝てるとまた雰囲気が変わってきますが、そこで勝ちきれなかった」

外国籍選手が怪我で欠場を余儀なくされたとき、日本人選手の雰囲気、モチベーションはどうだったのだろうか。

「みんなは前向きに『負けが決定しているわけじゃないから日本人だけでも頑張ろう』と話していました。勝利の確率は少し下がるかもしれないけれど、自分たちの能力で確率を上げられるものだと前向きに捉えていましたね。ただ、心のどこかで不安はあったと思います。リバウンドを取られたりすると、『やっぱりな』と不安が出てきてしまったのはあったと思います」

今シーズンより適用された『オンザコート2』。日本人選手がより成長するチャンスでもあるが、チーム編成や戦術、外国籍選手への負担も増えることになった。

後編も引き続き2018-19シーズン振り返りをお届けします。

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