勝負の世界は結果が全てである。
しかし、その結果に至るまでのプロセスも、現場を見守る立場の人間にとってはとても重要なものだ。2018-19シーズンも残念ながらB1昇格という目標を達成することは出来なかった。その悔しさを胸に、今、GM上原和人はどのような想いでいるのか。
前編に続き、2018-19シーズンを振り返ってもらった。

上原和人
<バスケットボールの主なプレー経歴>
小学校4年生でバスケットに出会い、ミニバスでは全国大会3位。
中学時代には茨城県選抜として、全国準優勝を経験。土浦日本大学高等学校、国士舘大学を経て、東京日産自動車販売の実業団チーム『東京日産ブルーファルコン』所属。日産自動車に就労しながら『大塚商会アルファーズ』へ所属。茨城ロボッツGMに就任後は、チームマネジメントとスポンサー営業責任者を兼務し領域を超えて活躍。

思い出に残る試合、チームが一つになる時

不安の中からスタートし、怪我に泣かされた2018-19シーズンではあったが、ポジティブな面で印象的だった試合も多くあった。

「インパクトが強かったのは、アーリーカップのFイーグルス名古屋戦です。みんなが力を発揮した試合で、凄く期待が持てるシーズンになるという印象を持ちました。ホームでの開幕戦も1点差で勝ったのはチームだけではなくて、ブースターやスポンサー、色んなものに対してよかったなっていう印象が残っています。開幕戦で戦った西宮ストークスと11月23-24日にアウェイで戦ったのですが、チームとしていい雰囲気で勝てた試合でした。開幕戦は、バプティスト選手だけで勝ったような活躍ぶりで、『バプティスト選手本当に凄いな』っていう印象でしたが、11月の西宮ストークス戦ではチームでやるべきことが見えてきて、個々の役割を果たし、すごく気持ちよく戦っていました。あとは、熊本ヴォルターズ戦です。今シーズンのロボッツは前半負けていると勝率が悪かったのですが、最終Qで10点差を逆転できて凄くチームが盛り上がりました。年始早々、チームも会場も一体になった試合でした。熊本にはBリーグになってから勝ったことがなかったので、連勝できたっていうのはすごく印象に残っています」

チームが一つになるように、チームを引っ張ってくれる選手。ポジティブな雰囲気に変え、勝つことへ導いてくれる経験値の高い選手の存在は大きい。

「チームが一つになって気持ちよく戦っているときは連勝するんですけど、その状態が今シーズンは途切れ途切れでした。みんな問題に向き合って一生懸命一つになろうとしていました。平尾選手はチームに対していつも前向きな発言をしてくれます。眞庭選手もキャプテンらしく発言するようになったと思っています。眞庭選手は多くを語らない選手ですが、重みというか自分の責任というものを感じて、チームのことを考えるような発言をするようになりました。あとは、友利選手ですよね。ベテラン選手で人柄がいいですし、チームを引っ張ってくれます。黙々と一人で練習もします。発言力や選手やスタッフからの信頼は抜群にありますね。友利選手は色んなチームを見てますし、色んなチームでキャプテンも経験してますので」

茨城ロボッツ2018-19シーズン振り返り

上原自身、小学校時代から社会人になっても『キャプテン』という役割を担ってきたからこそ、その存在の大きさを身にしみて感じている。ヘッドコーチやフロントの考えをチーム全体に浸透させ、チーム全員がチームのことを考えられるようにしていかなければいけない。

「引っ張る人がしっかりしていないと、少しのミスが大きなミスに繋がっていくので、キャプテンやリーダー的存在というのは大事なんですよね。チームのことを考えられる人がどれくらいいるかってことがチーム作りにも大きく関わってきます。僕らは選手に経験を伝えたり道筋を立ててあげたり、チームに対してどれだけ泥臭いことが出来るかなので」

茨城ロボッツ三年目となる眞庭と上原は近い存在にあるという。(詳しくは、『キャプテン眞庭城聖が語る『アダストリアみとアリーナ』の特別な瞬間』)だからこそ、なるべく近くならないようにお互いに意識し合っている。

「シーズン中はお互いの立場もあるので、食事には行きません。シーズンが終わると一年に一度だけお互いが立場関係なしに、バスケットの先輩後輩として飲みに行きます。ふざけた話もしますが、自然とバスケットの話になり、あの時はこうだったとか話しながら二人でハグしたり(笑)、お互いにまだまだ足りていない部分も話し合ったりします」

これまでの目標とこれからの目標

茨城ロボッツ2018-19シーズン振り返り
シーズンが終われば、すぐに次のシーズンへ動き出す。今シーズンの上原の目標はもちろん『B2制覇、B1昇格』なのだが、他にどのようなことを考えていたのだろうか。

「1シーズン60試合ありますが、まだ何試合残っているから大丈夫、負けたとしてもまだ挽回できるとは考えたくなかったですね。一試合一試合が勝負だと思い、戦っていこうと考えていました」

今シーズンで三年目となった茨城ロボッツだが、上原は毎年違う想いで臨んでいたという。

「1年目、つくばロボッツにいた選手はB1チームから声が掛かり、みんな出ていってしまいました。もう一度、『ロボッツとは』を考え、新生ロボッツをつくっていける選手を探しました。その中の一人が眞庭選手だったのですが、他にも気持ちの熱い選手が多く集まりました。試合の中で体現していくのに一歩前に進んだなと。ただ、11月から3月頭までホーム13連敗がありました。その時は生きた心地がしませんでした。でも私は、負けたことに対しても意味があると思っています。それが何なのかを考え、山谷さんや堀さんからいろんな意見を聞いた時に、見直そうとか、そこは僕は気付かなかったなというのがあります。ロボッツをつくっていくのに都度問題や原因と向き合っていました」

2年目、チームの核となる平尾充庸選手と久保田遼選手が茨城ロボッツに加わった。

「2年目は更に結果にもこだわるシーズンにしようと考えました。岡村監督のバスケットは考えるバスケットですので、浸透するのに時間が掛かりましたが、1シーズン目も2シーズン目もシーズン後半に選手の能力とシステムが浸透して結果が出たと思います」

岡村監督は今シーズン途中で解任という決断に至った。

「2018-19シーズンは、例年以上に結果にこだわりました。結果が出なければどこに責任があるのかということですよね。もちろん全てが岡村さんの責任だったということではありません」

上原自身、GMとしての責任を強く感じ、代表山谷と共に責任をとった。
当たり前だが、勝負の世界は厳しく、結果が全てなのだ。現時点で上原の頭にある来シーズンの目標はどのようなものなのだろうか。

「B2制覇、B1昇格は変わらないですけど、これは結果なのでそこだけを見続けるのではなく、今シーズンも取り組んでいたことをもう一度考えて選手がどうしたら能力を発揮できるのか、そこはバスケットだけじゃないものもあると思うんですよね。チームの一員としてチームを考えて、怪我しないためにはどうしたらいいのか。そういったことを考え、合致した時に一つの練習が成り立ち、一勝が成り立ち、その結果B2制覇、B1昇格出来ると思っています。最初の段階を本当に大事にしていきたいなと思います。僕らも色んなことを考えなきゃいけない中で、今シーズンの悔しさをちゃんと来シーズンにつなげてくれる選手、それを思って感じてくれる選手と少しでも早く新しいチーム作りを動き出さなければいけないと思っています。選手契約は7月1日からですが、9月中旬には開幕なのでしっかり準備をしていかないと。もうすぐですよ」

悔しい思いをしているからこそ、チームをより考えてくれる選手を求めている。覚悟を持って死ぬ気で頑張るという上原の言葉に、身震いがするほどの覇気を感じた。

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