久保田遼による2018-19シーズン振り返り

ユニークなキャラクターでチームに笑顔を増やす久保田遼。2018-19シーズンからオンザコートルールが変更*となり、臨機応変に対応出来るよう万全の態勢を努め続けた。茨城ロボッツ2シーズンを終えた今、どのように振り返るのだろうか。
*2018-19シーズンより、リーグ登録は外国籍選手3人以内に加え、帰化選手1人以内が可能に、試合エントリーは外国籍選手が2人以内、帰化選手が1人以内となり、オンザコートは常に「2」となった。(外国籍選手2人と帰化選手1人が同時にコートに立つことも可能)
(取材日:2019年5月24日)

久保田遼
1989年12月11日生まれ、大分県出身

恵まれた体格を生かしたインサイドでの体を張ったプレーだけではなく、ミドルレンジのシュートも得意とする器用なビッグマン。アウトサイドシュートの精度向上などさらなるチームへの貢献のための努力も惜しまず、また、献身的に味方を生かすプレーにも徹することができるチームプレーヤーである。

2012-2013 パナソニックトライアンズ
2013-2015 和歌山トライアンズ
2015-2017 大阪エヴェッサ
2017- サイバーダイン茨城ロボッツ

焦りが生じたシーズン

「チームの為にプレーしたいと思っていても、プレータイムが少なく、焦りが生じたシーズンでした。チームとしても、勝てる試合で勝てずに苦しんでいたと思います。12月12日のアウェー福島ファイヤーボンズ戦は、チームとしてのエナジーが感じられない、2018-19シーズンのワーストゲームだったと思います」

普段から愛されるキャラクターで、チームメイトやファン・ブースターの皆さまを楽しませてくれる久保田だが、その裏では不安に駆られる日々を過ごしていた。

久保田遼による2018-19シーズン振り返り

「逆にチームとしてのエナジーが最高潮に高まったのは、ワーストゲームと同じ対戦相手である最終戦の福島ファイヤーボンズ戦でした。日本人選手だけで戦い、出場した選手全員がしっかり戦いました。チームが一つにまとまったと感じたゲームです。残念ながら負けてしまいましたが、本当に勝ちたかったです」

最終戦は久保田自身のプレーも素晴らしかった。(『平尾充庸による2018-19シーズン振り返り』参照)
出場出来ずに苦しみ、勝てずに苦しんできた久保田を支えたのは、他でもないファン・ブースターの皆さんだったという。

「ロボッツのファン・ブースターの皆さんは、僕にとって家族のような存在だと思っています。皆さんにもたくさん悔しい想いをさせてしまったにも関わらず、いつも背中を押してくれました。プレーオフ進出の可能性が閉ざされた時も、家族である皆さんのためにも腐らず全部出し切って戦おうと決めました」

2019-20シーズンに向けて

久保田遼による2018-19シーズン振り返り
志半ばといった2018-19シーズンを経て、2019-20シーズンのロボッツはどのようにすれば勝てるチームになると考えているのだろうか。

「個々が責任を持ってプレーすることだと思います。リーダー格の選手が何人も出てくることが大切です。個人としてはコート内外でチームを盛り上げ、ベンチにいる時のベンチワークは続けたいと思っています」

リーダー格の選手とは、久保田がバスケットボール選手として大切にしている言葉から伝わってくる。

「パナソニックトライアンズからプロバスケットボール選手としてのキャリアをスタートしました。パナソニックには創業者であり経営の神様といわれる松下幸之助さんが制定した『遵奉すべき精神』というものがあります。その中の一つ『感謝報恩の精神』をバスケットボール選手としても大切にしています。自分一人の力で生きているのではありません。周りにいる全ての方に感謝し、恩に対して報いていくことにより、無限の活力が湧いてくるというものです。2019-20シーズンの目標は、『感謝報恩の精神』を基に、選手全員が満足出来る試合を毎試合することです」

選手全員が感謝の気持ちを大切に、お互いのことを考えて成長していく。
2018-19シーズン最終戦で見せたような久保田のファイト溢れるプレーを2019-20シーズンでも見られることが楽しみだ。

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