先日の記者会見で、グロービス経営大学院 「プロスポーツ選手セカンドキャリア支援MBA奨学金」制度の利用を目指すことを発表した小林大祐選手。
何故、選手活動と並行しながら、MBA取得との両立といった厳しい道を進もうと思ったのか、その理由について聞いてみた。

小林大祐
1987年6月24日生まれ、福岡県出身攻守に渡る活躍で、B3だったライジングゼファー福岡を最短でB1に昇格させた立役者の一人。2019年から3×3の日本代表としても活躍。2020年のオリンピック出場が期待される。2010-14 日立サンロッカーズ/日立サンロッカーズ東京(JBL/NBL)
2014-16 リンク栃木ブレックス (NBL)
2016-19 ライジングゼファー福岡 (B3/B2/B1 )
2019-  茨城ロボッツ

プロスポーツ選手のセカンドキャリアは、以前から議論されている問題でもある。
目の前の勝利を掴むこと、プロとして戦うことに全身全霊を掛けてきた選手たちにとって、選手生活の終わりを迎えた時、その後の人生を一から考えるというのは難しく、厳しい現実が待っているのも事実だ。

小林選手が現役選手と並行してMBA取得を目指す背景には、父親の存在が大きいという。

「地元福岡には父が一代で築いた会社があります。僕は幼少の頃から景気が良い時も悪い時も経験しており、父から経営の難しさについて聞いていました。僕が大学に行けたのは父の会社があったお陰なので、その会社を残したいという思いがあります。その他、現役選手の資産管理をする会社を経営することにも興味があります。そのためには、今のうちから経営を学ばなければいけません」

プロスポーツ選手である以上、遅かれ早かれ引退後の生活が待っている。
小林選手の周りにいる引退した選手のセカンドキャリアはどのようなものなのだろうか。

「バスケットボール選手のセカンドキャリアというと、教員免許を持っている人が多いので先生になる方は多くいます。他には、一般企業に就職したり、バスケットボールチームのコーチになったり。プロのバスケットボール選手は、比較的名の知れた大学出身者が多いこともあり、他のメジャースポーツと比べると、今の所はある種有利だと思います」

日本のプロスポーツ選手の問題点として挙げられるのは、スポーツ特待生など得意とするものだけにフォーカスし、その他のことをあまり知らずにプロになり選手生活を送ってきたという事象がある。

日本とアメリカの教育の違い

「アメリカの大学生は、授業で単位が取れなかったらバスケットが出来ません。勉強に重きを置いており、教育の一貫としてバスケットボールをやっています。学生時代からいろいろな知識を身に着けていることもあり、彼らはプロ選手になってからセカンドキャリアを同時並行で進めているんですよね」

NBAの選手になるには、大学卒業もしくは、高校卒業から4年が経過していることなどの条件*が必要となっている。このことからも、セカンドキャリアを見据えた学力が必要だということが伺える。
(*ドラフトの行われる暦年で最低19歳以上であることと、高校卒業から1年以上を経過していることが絶対条件。その上で大学4年次の資格を完了している、もしくはアメリカ合衆国の高校を卒業後大学に進学せず卒業後4年が経過していれば自動資格を取得することができる。その他海外選手とみなされるケースの場合は一部条件が異なる。また、例外的に八村塁選手も利用した「アーリーエントリー」という制度もある。)

「海外から来る選手は例えば、スポーツジムを経営していているなどということが多々あります。日本のプロスポーツ選手もそうあるべきだと思っています。第一線で選手として活躍しながら、並行してビジネスも行っているのがサッカーの本田選手だったり、長友選手ですよね。非常に面白いことをやってるじゃないですか。そういった活動がこれからのプロスポーツ選手のスタンダードになると思います」

そこで問題になっているのが、スポーツ選手のセカンドキャリアの情報が不足していることだ。
どのような道を歩んでいけばいいのか…。スポーツ選手以外との接点が少ないことと、プラットフォームのようなものがない。

「今回僕が挑戦するのはMBAですけれど、MBAじゃなくてもいいと思うんですよね。何かしら自分の興味がある職種に対してまずやってみることが非常に重要だと思います。僕も今回挑戦することは大変な道だというのは自覚しています。ただ、やることによってちゃんと結果を出せるんだということを示唆できれば、今後スポーツ選手のいい意味でのロールモデルになれるのかなと思います」

プロとして活躍している以上、目標に突き進むための努力と忍耐力で秀でた才能があるのは事実だ。その上でMBAを取得していれば、セカンドキャリアの幅は広がり、未来は明るい。
インタビューをしてとてもスマートな印象を受ける小林選手が、プロスポーツ選手のロールモデルとなる日は近いと感じた。

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