Inside of ROBOTS~ロボッツを支える仲間~ 下出恒平編(マーケティンググループ マネジャー)

茨城ロボッツのフロントスタッフにフォーカスを当て、普段どんな仕事を、どんな想いで取り組んでいるのかを伝えていく企画「Inside of ROBOTS~ロボッツを支える仲間~」。

第5回はマーケティンググループマネジャーの下出恒平。栃木や北海道など数々のクラブチームを経験し、優勝の瞬間にも立ち会ってきた彼がロボッツに加わった理由とは──。思いに迫った。

「日本バスケのマーケットを広げたい」スポーツビジネスの仕事へ

──バスケットを仕事にしようと思ったきっかけは? 

中学・高校とバスケットボール部に所属していました。当時NBAの衛星放送が始まった頃で、テレビ越しに観た試合の迫力には圧倒されましたね。「アメリカでは何万人も試合に集まるんだ」と驚きましたし、日本のバスケットの盛り上がりとは桁違いでかっこよかった。そこからバスケットの仕事に少しずつ憧れを抱くようになりました。

大学でもスポーツ関係の仕事をしたいと考えたのですが、当時NBAも高校バスケも盛り上がって多くの人が集まるのに、日本のトップリーグ(当時のJBL日本リーグ)は全然人が集まらない。そのジレンマも感じていましたね。

──そんな中現在のようなプロバスケットボールクラブのフロントスタッフの道に進んだ理由は?

バスケットに関わる仕事といっても様々な職種があります。選手はもちろんコーチやトレーナーのようなチームスタッフ、マーケティングや法人営業、広報など様々です。自分は「バスケットのマーケットを広げていきたい」「自分たちから盛り上げていきたい」という思いが強かったのでプロバスケットボールチームを運営の面から支える仕事に進みたいと思うようになりました。

新卒でWEB制作会社に入ってバスケットイベントの運営などに携わったのち、2006年に栃木ブレックス(現在の宇都宮ブレックス)の立ち上げ活動を行いました。栃木では、地元にプロバスケットボールチームを作るための署名集めからスタートしました。仲間や学生の協力を得ながら県のバスケットボール協会の力もお借りして、最終的に1万5000人の署名を集めて知事へお願いに行ったこともあります。

フロントスタッフとして立ち会った「日本一」の瞬間。次は「B2→B1昇格」が目標に

──下出さんは様々なクラブを経験されているんですよね。

レラカムイ北海道(現在のレバンガ北海道)に2年、栃木に8年、アルバルク東京に2年。北海道ではチームを編成する役割を経験し、栃木では広報やスポンサー営業、マーケティングの責任者を経験してきました。A東京でも同様ですね。いろいろなクラブを渡り歩いて、2018年から茨城ロボッツに加わりました。10数年の間、営業やマーケティング、広報など様々な役割に携わってきたので、フロントスタッフとしてある程度仕事の勘所はわかっているつもりです。

──様々なクラブを渡り歩いた後にロボッツで働こうと思った決め手は?

栃木とA東京でフロントスタッフとして日本一を経験して、これからのやりがいは何だろうと考えた時、「B2からB1へ昇格する経験ってレアじゃない?」っと思ったんです。山谷社長とは栃木時代に長く共にしてよく知っていたし、堀さん(茨城ロボッツ取締役/オーナー)の存在もおもしろそうだなと思って山谷さんに自分から売り込みに行きました。

──現在の仕事について教えてください。

マーケティンググループのマネジャーとして、ホームゲームの集客計画を立てて実行するのが私の仕事です。会場のキャパシティに対して動員目標を立て、過去の動員やチケットの売上などのデータを踏まえながら行っています。まだまだ統計データの母数が少なく予測が安定しないこともありますが、シーズンを重ねるごとに改善しています。

トレードマークは「ロボッツカラーのつなぎ」。チームの一員として試合を盛り上げたい

──下出さんといえば、ホームゲームではロボッツカラーの「つなぎ」がトレードマークですよね。

試合の日はいつもブルーのつなぎを着ています。ロボッツの一員としてゲームを盛り上げる中の人という意味合いで着るようになりました。楽しい雰囲気を作りたいし、声をかけてもらいやすくもなりましたね。会場で「クスっと笑ってもらえる存在」になればいいかなと思っています。

試合会場では主にファンクラブブースで入会受付を行っています。ファンを増やすためにクラブとしてどんな価値を出していけるか、試行錯誤している部分でもあります。

──仕事をしていてやりがいを感じる瞬間は?

栃木で優勝したとき、行政や企業の支援が一気に加速したんです。その瞬間、世の中をポジティブに変えられる可能性を感じましたし、達成感がありました。ロボッツでもその瞬間を味わいたい。最初はダメでも、続けていたアプローチが、優勝によって認められて世の中を変えていく。その過程に自分が介在していることは価値のあることだと思います。

また、バスケットの仕事をしていると、今もいろんな学びがあります。試合を通じて対戦クラブや選手に興味を持ったり、新しい発見があったり。プロスポーツはそういう新しい出会いがありますよね。私は東京生まれ、東京育ちでいわゆる田舎暮らしの経験がなかったので、大学の時に地方から上京してきた友人が羨ましかったんです。今は東京を出て茨城が拠点ですが、その土地にある面白いものを知るのが好きですね。

──反対に、仕事で大変だと感じることは?

マーケティングでの集客計画が想定していたよりも低くなってしまったときや、誰かに何かを伝える難しさは今でも感じます。データやファクトで説得するのではなく思いも大事だなと。それから「茨城ロボッツ・スポーツエンタテインメント」の社名にもあるように「エンターテイメントを届ける」ことが我々のミッションです。スタッフも増えた今、実現のために動いていかなければと思っています。

バスケットを通して国際交流の架け橋になるようなことがしたい

──ロボッツでの今後の目標は?

やはり「B1昇格」を果たした瞬間の熱気の中にいたいと思っています。その瞬間をいっそう盛り上げるために自分ができることは来場者、ファン・ブースターを増やすこと。昇格の瞬間をできるだけ多くのファンと味わいたいですね。

──下出さんの将来の夢は?

漠然とした夢ですが、いつか海外の国と仕事がしたいなと思ってます。日本と海外でバスケットをしている子どもたちがバスケットを通してコミュニケーションできるような、国際交流の橋渡しができたら面白いなと思っています。

──ありがとうございました。最後に、下出さんから若手スタッフやこれからスポーツ業界を志す若者にアドバイスがあれば一言お願いします。

なんでもそつなくこなせることも大事ですが、若いうちほど何か一つ強みを身につけてほしいなと思います。何年か経験を積めば、早い人は1-2年で一目置かれる存在になります。「この領域は任せてもらいたい」とアピールできるものがあれば、活躍できる場は広がると思います。頑張ってください!

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