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[選手対談4]コートを支配する 内外のリーダーとなれ!

※本記事は、2019年9月21日刊行の『2019-20 IBARAKI ROBOTS OFFICIAL FANBOOK』に掲載したものです。

在籍3シーズン目となる久保田選手と、滋賀から移籍した二ノ宮選手。
ポジションも出身校も異なるが、実はともに「オフェンスの起点」という役割を与えられている。
ベテラン司令塔の二ノ宮選手と、慣れない役割に苦戦中の久保田選手。2人の熱いトークをご覧あれ!
インタビュー・文=青木美帆 取材日=2019年8月9日

4番ポジションはオフェンスの起点となれ

―お二人はいつごろから面識があったんですか?

二ノ宮康平(以下二ノ宮) 大学のときですかね。早慶戦で戦ったり(二ノ宮は慶應義塾大、久保田は早稲田大の出身)、選抜キャンプに一緒に参加したくらい。

久保田遼(以下久保田) 当時はあまり会話した記憶がないですけど、いまとなってはいろんな人からいろんな噂を聞きますね…。

二ノ宮 え、何?

久保田 (小声で耳打ち)

二ノ宮 ……うん、噂はよくないよね(ニッコリ)。

―お互いのプレーの印象についてもうかがえますか?

久保田 ニノさんのプレーは高校時代からみてましたけど、パス、シュート、ドライブの速さとか、ガードとしての素質が本当に備わっている選手だなと思っていました。いま、同じチームでプレーしてみても、オフェンスのクリエイト能力がすごく高いんですよね。「こっちをみていないだろうな」っていうときにパスがきてびっくりすることもよくあるし、ピックアンドロールの使い方もチームで一番上手いです。その分まわりへの要求も高いんですが、そのレベルにどこまで自分をもっていけるかがすごく楽しみです。

二ノ宮 クボは、大学時代から体格がいい割に器用だなって思ってました。いまもその器用さは健在です。

―二ノ宮選手が今回ロボッツへの移籍を決めた理由はなんだったんですか?

二ノ宮 いろいろあるんですけど、一番はクラブの将来性と選手たちのポテンシャルの高さ。自分がB2からB1に昇格することに貢献できれば、ロボッツのためにもなるし自分の価値も高められるんじゃないかと思って。あとは大学の1つ上の先輩である大祐(小林大祐)さんがいくというのも心強かったですね。仲良かったんですよ。学生時代は毎年一緒に海に行ってました。

久保田 いまも「海行こうよ、大洗行こうよ」っていつも言ってます(笑)。

―久保田選手には、昨シーズンの振り返りを聞かせてください。

久保田 アップダウンの激しいシーズンでしたね。個人的には、外国籍選手の起用ルールが変わったことで加入1年目から比べてプレータイムがすごく減ってしまって。短い時間でいかにアピールできるか、というところが正直難しかったです。

二ノ宮 正直試合をみたことはないんだけど、これだけメンバーが揃ってるのに、なんでこの成績だったんだろうっていうのは思ってたね。個人的には去年はロボッツが入れ替え戦に上がってくるだろうって予想していたし。

久保田 確かに前評判は良かったんですよ。前半戦もすごく良い戦い方ができてたんですけど、試合数を重ねていくにつれてチームとして崩れてしまって…。外国人の入れ替えで戦術が変わってしまったのも大きかったと思います。

二ノ宮 外国人がみんな怪我しちゃったときもあったんでしょ?

久保田 はい。基本的にはジャーラ(志多斗)が5番をやってくれたけど、1月くらいの島根(スサノオマジック)戦ではジャーラも出られなくて、大学ぶりに自分がセンターをやりました。しかもマッチアップの相手は、B2の中で一番リバウンドが強い(グレゴリー・)エチュニケ。相当疲れた記憶があります(苦笑)。

―B1でのプレー経験が長い二ノ宮選手からみて、現状のロボッツはどんなチームですか?

二ノ宮 そうですね…。さっきも言った通り、選手は揃ってるしポテンシャルもあると思います。ただ、スペーシングとかパスやあわせのタイミングとか、そういう細かいところのこだわりがまだまだ足りないなって感じています。特に感じるのがスペーシングの意識。やってるオフェンスはB1のチームとそれほど変わらないんですけど、徹底されてないところがあるかなと。アルバルク(東京)とか滋賀(レイクスターズ)は特にそこが細かくて、練習のときにコートに印をつけて「ここにいろ」とまで徹底していた。そのときは「なんでそこまでこだわるんだろう」って思ってたんですけど、いまになってそれがとても大切なことだったんだと実感しています。ロボッツでもそれくらいきっちりできるともっといいオフェンスができると思います。

久保田 その通りですよね。練習で感覚とかケミストリーを重ねて、もっとみんなが意識しなきゃいけない部分だなと思います。個人的には、ニノさんには平尾(充庸)とか髙橋(祐二)とか、同じガードポジションの後輩にいろんなことを教えてやってほしいです。

二ノ宮 平尾なんて俺より全然能力高いと思ってるし、まだまだ伸びるポイントはあるよね。さっきのスペーシングもそうだし、ピックアンドロールの位置とか、そういう細かいところの大切さは伝えたいかな。俺もコーチから教わるまで、この位置でピックを展開することの何が効率的なんだろうって思っていた時期もあるし、そういうところがわかったら、俺よりやっちゃいそうな気がする。チームが勝てるように切磋琢磨したいね。

―B2はガードのレベルが高いですし、二ノ宮選手も当然負けていられないですよね。

二ノ宮 熊本(ヴォルターズ)の石川海斗なんて、小学校のときから知ってますからね。あいつのミニバスとは年間何十試合もやってました。あと、個人的にマッチアップが楽しみなのが、東京エクセレンスの宮田諭さん。トヨタ(現アルバルク東京)時代の先輩でもあるんですが、あの年でどうしてあんなに動けるんだろうって思うくらいすごいです。プレー以外の面でも本当に頭が良くて、ああいう人になりたいっていうくらい尊敬しています。

―久保田選手は、今年どんなプレーをみせたいですか?

久保田 そうですね…。ロボッツは前からのプレッシャーとかブレイクの速さを強調してやっているので、まずはディフェンスで違いを出せる選手になりたいですね。他のチームだと、4番ポジションで出てくるのはほとんどが外国籍選手なので、意識していきたいです。オフェンスももちろん大切なんですけど、外国籍選手相手にファイトすれば、自ずとプレータイムも増えていくと思うんです。接触を怖がらず、時にはハードファウルも覚悟しながら、強気にバチバチやりあいたいです。

二ノ宮 俺は、クボにはオフェンスも求めたいな。俺が思う理想の4番プレーヤーは、パスが上手い選手。最近は特に、4番がポイントガードみたいにゲームをコントロールできるチームって強いじゃん。

久保田 (宇都宮)ブレックスの(ライアン・)ロシター選手とか、信州(ブレイブウォリアーズ)の(アンソニー・)マクヘンリー選手とかですか?

二ノ宮 そうそう、そんなイメージ。クボも、彼らみたいにパスで仲間を活かせる4番になれると思うんだよなあ。ほんと器用だから。

久保田 マジっすか…。パスは練習中なんですけど、なんかあせっちゃうんですよね。

二ノ宮 自信がないからあわてちゃうんだよ。もっと自信をもって大丈夫。

久保田 そうですね。まずは自信をもちます!

二ノ宮 いまチームが取り組んでいる「フローオフェンス」は、4番が起点になることが多いしね。

久保田 去年から「4番が起点になれ」ってことはチームでもよく言われていたんですよね。でも、まわりがまだよくみえていないと指摘されることが多かったんです。なんかいま、ニノさんに言われて気づくことがたくさんありました。ありがとうございます!

二ノ宮 ハハハ、よかったよ。

ロボッツの魅力は選手・スタッフの透明度

―久保田選手の方が年下ではありますが、ロボッツ在籍年数では二ノ宮選手より先輩です。”先輩”に何か聞いておきたいことはありますか?

二ノ宮 水戸での生活については聞いておきたいねえ。

久保田 それを聞かれると、正直自信ないっすね(笑)。

二ノ宮 オフとか何してるの?

久保田 だいたい家で暇しています(笑)。あとイオンとかCOMBOXで映画をみますかね。最近は知名度がどんどん上がってるので、人が多いところに行くと「ロボッツの選手だ」って指さしされることも増えてきました。

二ノ宮 沖縄はやばかったよ。どこに行っても顔がわれてる。だからもう気にしなくなっちゃったな。気にしたら何もできなくなるし。

久保田 あー自分はまだ気にしちゃいます。

二ノ宮 他にいい場所ないの?

久保田 偕楽園ですかね。2月とか3月は梅が綺麗ですよ。

二ノ宮 当分先だな…(笑)。

久保田 ニノさん、もうどこか行きました?

二ノ宮 大洗水族館。

久保田 鉄板っすね。みんな最初に行きます。

二ノ宮 あと、ロボッツのいいところも教えてよ。

久保田 選手、フロント、スポンサーさん、ファンの皆さん。この4つがよくコミュニケーションをとれているチームというところですかね。堀さんのおかげであり、山谷さんのおかげでもあるんですけど。

二ノ宮 確かにフロントスタッフと選手とのコミュニケーション力はすごい。選手との距離が近くて、仲が良くて、透明度が高い。すごく気持ちのいいクラブだなって感じてるよ。

昇格は簡単ではないがすべてを捧げて実現する

―絶対目標となるB2優勝、B1昇格を果たす、意気込みをお聞かせください。

二ノ宮 僕はやっぱり結果にこだわる姿勢です。チームはもちろんB2優勝B1昇格にこだわるし、個人的にもチームを勝たせることに心底こだわりたい。去年は特に、コンディションがあまり上がらず不完全燃焼のシーズンになってしまったんですが、自分の調子が悪くてもできることはある、ということを学べたシーズンでもありました。どんな状況であっても、どんな形でもいいからチームの勝利に貢献したいし、勝利という結果にこだわりたいです。

久保田 やっぱりみてくれているお客さんに楽しんでもらえることをしていきたいなと思っています。勝つことが大前提ではあるんですが、ベンチにいるときも声を出して、わちゃわちゃ盛り上げて、コート上でいいプレーがあったときに笑顔でハイタッチしたりとか。「ロボッツの選手って楽しそうだな」とまわりから思ってもらえるような行動をとっていきたいです。コートに立ったときはもちろんバチバチやりあって、「あいつすごく気迫あるな。試合を楽しんでるな」っていうことを感じとってもらえたらなという風に思います。

―それでは最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。

二ノ宮 B2優勝、B1昇格のために茨城にきました。シーズン終了時には全員で喜びをわかちあえるような最高のシーズンにしたいので、応援よろしくお願いします。

久保田 2年間ロボッツでプレーをして、B1昇格が簡単なことではないということを痛感してきました。その中でどうやったらそこに辿り着けるか考えた結果、メンタル的な要素を充実させて試合に臨むことが、勝ち続けるチームには必要だと思ったので、そこをチームとしてしっかり高めていきたいです。今年は外国籍選手も日本人選手もB2でトップクラスの選手たちが集まっていると思うので、しっかりコミュニケーションをとって、毎回熱い試合を展開したいと思います。

対談の取材前にチーム練習を見学した。加入間もないタイミングだった小林選手、二ノ宮選手が既存選手たちにどんどんアドバイスを与えている姿をみて、B1プレーヤーを2名獲得できたことは、チームとって非常に大きな影響を与えていることを強く実感した。この対談でも、二ノ宮選手は久保田選手に「パスセンスに自信をもって」と頼もしいアドバイス。パスの名手である彼から大きな気づきを得た久保田選手、30歳を迎える今年は飛躍のシーズンになるかもしれない。

SF/PF.16 久保田 遼 Ryo KUBOTA
1989年12月11日 大分県生まれ
早稲田大学卒 198cm/96kg

PG.8 二ノ宮 康平 Kohei NINOMIYA
1988年8月1日 埼玉県生まれ
慶應義塾大学卒 173cm/70kg

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