令和5年度毎日・茨城杯 茨城県U14バスケットボール大会~強みを見出し掴んだ初優勝~

写真:茨城ロボッツ photo by IBARAKIROBOTS

1/21(日)から2/4(日)にかけて行われた「令和5年度 毎日・茨城杯 茨城県U14バスケットボール大会」。男子183チーム、女子177チームが茨城県No.1の称号を目指し争う今大会。決勝戦は茨城ロボッツのホームコートでもあるアダストリアみとアリーナで開催された。

茨城県出身Bリーガーからのメッセージ

試合開始前、会場であるアダストリアみとアリーナの大型ビジョンには茨城県出身のBリーガーである茨城ロボッツ#29鶴巻啓太、サンロッカーズ渋谷#10小島元基選手からのメッセージが流された。#29鶴巻選手は、「大会に出る選手の皆さん、悔いなく全力で頑張ってください。応援しています」と茨城県の後輩たちにエールを送った。

両選手とも平成19年度(小島選手)、平成22年度(鶴巻選手)に毎日・茨城杯にて優勝を経験。この日も決勝戦の後に行われるBリーグレギュラーシーズンでの戦いで活躍を収めている。決勝戦を戦った両チーム、そして大会を盛り上げた全360チームの中から未来のBリーガー、Wリーガーが生まれるかもしれない。

白熱の決勝戦 茨城ロボッツU15男子が悲願の初優勝

男子決勝戦は手に汗握る好ゲームが展開された。前年度の優勝チームであるBCつくばEvolutionと初優勝を目指す茨城ロボッツU15男子の対決となったこの試合。

序盤は茨城ロボッツU15男子が積極的にペイントアタックを続けるも、BCつくばEvolutionがアウトサイドシュートを高確率で沈め、主導権を握る。さらに、第2Qでは開始直後から次々と3Pシュートを決め続け、茨城ロボッツU15男子は大量ビハインドを負う。

「前半は相手が高確率で3Pシュートを決め、それがそのまま点差に出てしまいました。なので選手たちにはとにかく我慢し続けてアグレッシブなディフェンスを求めました」(遥 天翼U15男子HC)

前半は中々良い形でボールが回らなかった茨城ロボッツU15男子。しかし、遥U15男子HCがハーフタイムにかけたこの言葉によってチームは一気にリズムに乗った。

第3Q序盤から軽快なパスワークや#17横須賀健選手の1on1からの連続得点で点差を縮める。勢いそのままに第4Qで逆転するも、BCつくばEvolutionも意地を見せ、オーバータイムに突入。茨城ロボッツU15男子は好調の#17横須賀選手にボールを託し、そのままダブルオーバータイムの激戦を制した。

遥U15男子HCにとっては初タイトル。茨城ロボッツU15男子にとっても、毎日・茨城杯初優勝を飾った。

「実は#17横須賀が体調不良になるなど大会前にトラブルも起きました。でも、準決勝でも8-0のランを受けながらも勝ったので、今日もリードされていても自信はありました。案の定、徐々に流れに乗り、ホームコートアドバンテージも使いつつ、延長に繋げることができました。そこからは気持ちの問題だと、経験上わかっているので、我慢を続けて戦い切りました」

執念とも言える粘り強さを見せた茨城ロボッツU15男子。「茨城ロボッツはあきらめない」がユースチームにも根付き、勝利を呼び込んだ。

「3年生の大会が終わってからすぐに毎日・茨城杯があるので、チームミーティングで、目標設定をして、大会に向けて鍛錬を積んできました。感情的にならない・ベクトルを自分に向ける・相手にリスペクトを持つ。この3つは絶対にぶらさずにやっていこうとチームでも決め、我慢して戦い続けたことが、全てに繋がってるのかなと思います」 (遥 天翼U15男子HC)

中々優勝の2文字が掴めずにいただけに誰よりも頂点に対し貪欲だった。チームに新たな歴史を刻んだ選手・スタッフに改めて賛辞を贈りたい。

高さに対し速さで対抗 BCつくばEvolutionが初優勝を飾る

女子決勝戦はともに初優勝を目指す茨城ロボッツU15女子とBCつくばEvolutionが相まみえた。最高身長176cmと高さのある茨城ロボッツU15女子、対して激しいディフェンスからスピーディーなバスケを展開するBCつくばEvolutionと違ったスタイルで戦う両チーム。

序盤、先に仕掛けたのはBCつくばEvolution。バックコートからプレッシャーをかけ、スピーディーな展開に繋げた。茨城ロボッツU15女子は#89君島凛選手が高さを活かし、力強くバスケットカウントを決める。両者とも得意なスタイルで試合を進めた。

しかし、第2Q中盤より、スピーディーなオフェンスとディフェンスのプレッシャーが増したBCつくばEvolutionが点差を広げていく。#7山田千紗選手の巧みなハンドリングなどでディフェンスを崩し、ディフェンスでは第1Qで苦しんだ高さにも対応。宮澤巧コーチが「以前、ロボッツに高さで負けている部分があったので、そこで勝負をするのではなく、自分たちの強みで勝負しようと言い続けてきました。前からディフェンスでプレッシャーかけたりすることをどれだけやれるかが鍵でした」と話すように、第3Qに入っても勢いは止まらず、大差をつけて初優勝を掴んだ。

40分間常に機動力を見せつけての勝利。宮澤コーチが「子どもたちの頑張りを素直に褒めたいと思います」と話すように、コート内で選手たちが戦い続けた結果、掴んだ初優勝だった。スピーディーなドライブなどでチームを引っ張った#7山田選手は、「雰囲気も良く、リバウンドが取れない時間帯もありましたが、走って全員でカバーすることができたので良かったです」と試合を振り返った。

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