2019年9月21日──。「アダストリアみとアリーナ」で初となる開幕戦を迎えた茨城ロボッツ代表 山谷拓志。2019-20シーズンはビジネス面の新しい挑戦にも積極的だ。山谷にシーズン前半戦の戦績と経営面の取り組みについて振り返ってもらった。 

インサイドの補強がチームの回復と10連勝に繋がった

 ──2019-20シーズンは苦しい立ち上がりとなりました。前半戦を終えての所感は?

 プレシーズンゲームは好調で仕上がりは上々でした。開幕戦から2連勝して良い流れができていた矢先、ケガ人が1人、2人と出て他の選手に負荷がかかり、その選手がケガをするという悪循環に陥ってしまった。いわゆる主力選手が欠場した結果が戦績に如実に表れていると思います。

 不調の原因はわかっていたので、ケガ人の復帰と、長期離脱の中で選手を補強すれば回復させる可能性は高いと考えていました。しかし、負け越しの状況が続き借金が最大6まで積み上がってしまった。

 「このままではプレーオフ進出は厳しい」と感じていた中、アレクサンダー・ジョーンズ選手との縁がありました。ロボッツにはアウトサイドやシュートが得意な選手は多いので、インサイドが安定すればチームは回復するだろうという見通しはありました。その策が功を奏し、インサイドの補強を実現した結果が10連勝に繋がったのではないでしょうか。

 ──2019-20シーズン、茨城ロボッツの経営面を振り返ってみていかがですか?

 集客面は、10月に国体開催のためアダストリアみとアリーナが使用できずアウェー戦が続きました。そのため集客も厳しい状況でしたが、ホームゲームの平均来場客数は目標3,000名に対し(2019年12月29日の試合を終えて)現在2,300名弱です。

 目標にはまだまだ到達していませんが、昨年シーズンの平均1800〜1900名と比べると増加しています。B2でもトップ3を狙える位置にいるのではないでしょうか。数字の伸びは評価できる反面、目標未達成の要因として成績も多少は影響していると思います。

 集客面の取り組みとしては、早い段階から準備を進めホームゲームの企画やゲストなどの情報露出を強化しました。その結果、茨城ロボッツに興味を持っていただける方が増えてきたように思います。

 オウンドメディアを通してロボッツの情報発信を強化する

 ──今シーズン特に注力している取り組みはなんですか?後半戦、そして来年以降どのように繋げていきたいですか。

 いちばんは自分たちからの情報発信の強化です。今シーズンから公式オウンドメディア「ROBOTS TIMES」やYouTubeチャンネル「ROBOTS TV」などを立ち上げ、ロボッツのオリジナルコンテンツを発信しています。コンテンツ制作はまだ道半ばですが、まずは多くの方に情報を届けるためのスタートを切れました。

 また、県内の自治体や教育委員会を通じてなど、細やかな情報提供もオンライン、オフラインともに注力しました。その結果、ロボッツへ興味関心を持ってくれたり、「ロボッツ盛り上がっているな」と感じたりしてくれた方も増えたと感じています。

 今後は段階的かつ継続的にロボッツの魅力を発信し、ファンを増やす流れをスムーズに構築することが課題です。すぐに成果は出にくいですが、来年以降、ホームゲームが続く中で集客に成果を反映させたい。情報発信をきっかけにロボッツを知った方が、よりたくさんのゲームに足を運んでいただけるよう、結果を出していきたいです。

 ──その他、営業など組織面で注力したことは?

 人材に関しては、年末にかけて兼業・副業人材を募集したところ130名以上の応募があり、スポーツビジネスへの関心の高さがうかがえました。今年は茨城放送の株式取得もあり「ロボッツは新しい取り組みに積極的だ」「チームの成長に貢献したい」と捉えてくださった方も多かったのが印象的でした。

 組織に優秀な人材が加わったことで、彼らの能力と豊富な知見を生かしてロボッツの価値をますます高めていきたい。「ロボッツは面白い」と思ってもらえる土台はできました。ビジネスとしてはこれから後半戦が勝負です。

  ──今シーズンは初めて「アダストリアみとアリーナ」で開幕を迎えました。会場を活かしたエンターテイメントなど、コンテンツ面を振り返ってみていかがですか?

 素晴らしいアリーナをホームにしてシーズン開幕を迎えることができました。「おもてなしas one」を掲げ、お客様に気持ちよく過ごしていただけるよう、社員やボランティアなど全員の意識を高めることにも注力しました。

 ホームゲームに来てくださった方に「来てよかった、おもしろかった」と思っていただけるよう、トイレにアメニティを設置したり、選手とのハイタッチ、あいさつやお声がけなどを徹底したりとコート以外のホスピタリティも高めた結果、少しずつ成果が出ているように思います。

 ホームゲームの演出は、B1のチームと比較するともっとできることがあると思います。アリーナ内でのライトアップやレーザー演出などにも投資していますが、茨城にいながらバスケを観戦して最高のエンターテイメントと異次元の空間を体験していただけるのが理想。まだまだやりたいことはあるが、少しずつ実現できているのではないでしょうか。

「またロボッツの試合を観にいきたい」とリピートしていただけるようなアプローチを

 ──最後に、2020年はどのような年にしたいですか?

 まずはゲームで成果を出してプレーオフ出場を勝ち取ることが、チームとビジネス両方の最重要課題です。

チームはさまざまなリスクを取りながらも着実に成績を上げてきました。後半戦はしっかりと勝ち進めつつ、ケガをした選手の復帰に期待したい。彼らが加わればよりよい方向に進みます。さらにはケガを防止し、選手のコンディション面を整えたチームが最後に勝ち切るチームだと考えます。

 ビジネス面では、アウェー戦が続く中でも多くの仕込みや投資をしてきました。後半戦は成果を出すフェーズです。一度アリーナにお越しくださったお客様に「またロボッツの試合を観にいきたい」と2回、3回とリピートしていただけるような、情報発信と興味関心を高めるアプローチをしていきたいです。

 プレーオフ進出を目指してチームの熱気が高まれば、人々の興味や関心ももっと高まります。「行ってみよう」「感動した」「また行きたい」と思っていただけることが今シーズンの集大成。日々の判断や調整をぬかりなく続けながら、最高の成果を出していきたいです。

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