タフショット、3ポイント…「優勝候補」群馬に突きつけられた差

一方で、2戦ともに大きな課題となったのが、タフショットや3ポイントシュートの精度だ。相手にディフェンスを固められ、打たされるような展開になったとしても着実に得点を奪うという点において、群馬との差は明らかだった。特に際立ったのが、3ポイントの成功率だ。2戦とも、3ポイントシュートの試投数ではロボッツが上回ったが、成功数・成功率では群馬が上回った。また、難しいシュートが入ることで、相手を気持ちの面で乗せてしまったことも否めない。結果的に、開幕戦ではチーム全体で13本の3ポイントシュートを被弾。第2戦では群馬の#13笠井康平に4本、#30山崎稜には5本の3ポイントを決められ、大量得点を許す格好となった。また、ゴール下の密集や、厳しいシュートチェックの中においても、群馬は着実に得点を決め、特に#3マイケル・パーカーには開幕戦でダブルダブルを許した。こうした「泥臭さ」の差も、点差に現れたのではないだろうか。

ロボッツにおいて光ったのが、トラソリーニであった。開幕戦では最終第4クォーターに連続でバスケットカウントを記録。第2戦でもペイントエリアで体を張り、20得点を記録した。一方で苦しんだのが、#31アブドゥーラ・クウソーである。ゴール下で体を張り、リバウンドを積極的に奪うものの、なかなか得点につながらない。これまでの彼の「黄金パターン」が通用しなかったことが、彼の苦しさを深めたのではないだろうか。ただ、そこで焦れて個の能力に走っては、「unselfish」に反する。得点を決められないときには、一種の割り切りも必要で、ファウルを誘う、体を当てに行くことに徹することも時には必要だろう。直接得点に結びつくプレーではないかもしれないが、強度の高いプレーが、得点へのチャンスを作り出すことにつながるし、失点を減らすことにもつながる。ここにおいては、グレスマンHCの掲げるもう一つのキーワード「tough」であることが試されている。昇格を争うライバルたちも力をつけつつある今シーズン、恐らく全てが満足に進む戦いはそう多くないだろう。戦いで最終的に勝敗を分けるのは、タフさに他ならないのではないだろうか。

今回の対戦で敗れた群馬とは、シーズンの途中にまだ4回の対戦が残されていて、うち2戦はシーズン最終盤の4月に待ち受けている。この4戦のうち、一体いくつを勝ち取れるか。「B2優勝・B1昇格」という悲願を果たすには、上位チームとの直接の星取りが重要度を増す。今回の敗戦に落ち込んでいる暇など無く、逆襲の時に向けて、準備を進めなくてはならない。開幕戦で明らかになった、「unselfish」「tough」という課題。改めてチームとして習熟を深め、勝利への近道としていきたい。

シューター陣を断って勝利を目指せ

ホーム開幕節となる第2節の相手は、アースフレンズ東京Z。昨シーズンB2中地区最下位に終わったが、B1の京都ハンナリーズから#10岡田優介、#17綿貫瞬を獲得するなど、積極的に補強を行ってきた。ただ、東京Zには他にも止めなくてはならない選手がいる。#24髙木慎哉だ。昨シーズン、特別指定選手として東京Zに加入すると、3ポイントシュートを武器に得点を量産。今シーズンの開幕節では合わせて8本の3ポイントを決め、B2リーグを代表する長距離砲に名を連ねようとしている。ロボッツとしては、岡田、髙木に対するシュートチェックを徹底し、相手の得点源を断っていきたい。

一方、攻撃陣から見ると、シューター対決は望むところ。福澤や#13中村功平、#27眞庭城聖といった日本人選手だけでなく、トラソリーニや#11チェハーレス・タプスコットも積極的に3ポイントを狙えるだけの力を持っている。一本一本のシュートを確実に沈めることで、勝利はグッと近くなるだろう。

開幕ダッシュとはならなかったロボッツにとって、ホーム開幕節は「第2のスタート」となる。アダストリアみとアリーナでしっかりとロボッツブースターに勝利を届けることで、シーズンの再出発を図りたい。

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