2018-19シーズン最終戦後のセレモニーで悔し涙を流していたジャーラ志多斗。あの姿が今でも脳裏に焼き付いている方は少なくないだろう。勝つことだけに集中してきた2018-19シーズンをジャーラ選手は今、どのような気持ちで振り返るのだろうか。
(取材日:2019年4月26日)
210cm100kgの恵まれた体格を持つ帰化選手。外国籍選手2名に加えて帰化選手1名の同時出場が可能である今季のレギュレーションにおいて、また、日本語・英語を操り、密にチームメイト全員とコミュニケーションを取り合うことができる彼の存在が重要なシーズンだった。
2013-16 イカイレッドチンプス
2017 群馬クレインサンダーズ(B2)
2018- サイバーダイン茨城ロボッツ(B2)
帰化選手であること
「帰化選手は、チームにとってメリットだと思っています。自分がいるチームはどこよりも強くなり優勝するのは当たり前だと思っていたのですが、残念な結果になってしまいました」
セレモニーで見せた涙の理由をそう語るジャーラ選手。チームの目標であった『B2制覇・B1昇格』が達成できなかった瞬間、彼はどのように考えていたのだろうか。
「プレーオフに行くチャンスがなくなったと分かったときは凄く悲しかったです。練習をもっとすれば良かったのかなと感じました。プレーオフに行けなくなったからといって諦めることではなく、残りの試合を頑張って勝たなければいけないという気持ちでした。絶対2019-20シーズンは同じ気持ちにならないように、もっと頑張らなければいけません。2018-19シーズンは目指していたB1には行けませんでしたが、チームとしては良く戦えていたし、スタッフが目指していたバスケットをみんなが実行していたと自分は思っています」
帰化選手であることに強い責任を持っているジャーラ選手は、どのようなことを考えて2018-19シーズンを戦ってきたのだろうか。
「バスケットをする上で大切なことは勝つことです。今年は優勝しなければいけないという気持ちがずっとありました。もちろんコンディションが良くないと活躍も出来ません。自分は優勝に繋がることは何でもすればいいと思ってやってきました。今は『もっとこうすればよかった』という気持ちはありますが、2019-20シーズンは、もっとパフォーマンスは上がるでしょうし、チームは強くなると思います」
2019-20シーズンに向けて
茨城ロボッツのパフォーマンスが上がると考えるジャーラ選手には、どのような未来が見えているのだろうか。
「ロボッツは力がある選手が集まっているいいチームだし、スタッフもしっかりしています。ただ優勝するチームというのは『つくる』チームなんです。上手い選手が集まっているだけではダメです。例えばNBAのマイアミ・ヒートはレブロン・ジェームズなどスーパースターを集めましたが、その年は優勝することは出来ず、次の年からNBAで連続優勝することになるんです。負けたことは残念ですけど、チームづくりは出来ているのかなと思います。そういった意味で、2019-20シーズンはどこよりも強いチームになると思います」
語学が堪能なジャーラ選手は日本語ももちろん堪能で、ブースターとコミュニケーションを取るのが好きだと話す。
「ブースターの存在は凄く大きいです。今シーズン、素晴らしい応援をありがとうございました。アウェーゲームも応援に来ていただいて嬉しかったです。ロボッツはまだ若く将来があるチームなので、ブースターの力が必要です。選手と一緒に諦めずに戦ってくれたらと思います」
ジャーラ選手が見ている2019-20シーズンのロボッツは、強く、B2制覇・B1昇格している姿だ。
いつも支えてくださるブースターと共に、新しいステージに向けて戦っていこう。