取材・文:茨城ロボッツ text by IBARAKI ROBOTS
写真:茨城ロボッツ photo by IBARAKI ROBOTS
技術だけじゃない、中学生に伝えるプロの「考え方」
夏休みも終盤を迎えた8月25日(月)、茨城県五霞町の「五霞町B&G海洋センター体育館」にて町内の中学生を対象に、#14 久岡 幸太郎選手による「バスケットボールクリニック」が開催されました 。
こちらの企画は、参加者に対し#14 久岡選手が実技指導を行うワークショップで「茨城ロボッツをもっと広めたい、茨城をバスケで盛り上げたい」という#14 久岡選手の熱意のもと、2025年3月に「フレンドリータウン協定」を結んだ五霞町の皆さまのご協力を得て実現いたしました。
(五霞町とのフレンドリータウン協定締結についてのリリースはこちら)
県西地域では初の試みとなる記念すべき企画の開会式では、五霞町長の知久 清志様より「五霞町と茨城ロボッツのフレンドリータウン協定が締結されたことに伴い、茨城ロボッツの久岡 幸太郎選手にお越しいただきました。皆さんにはクリニックを通し、技術向上、努力の大切さ、仲間との絆、そして夢を追い続ける力を学んでいただきたいと思います。本日は一緒に楽しみましょう!」と歓迎の言葉をいただき、花束の贈呈が行われました。
この日、プロ選手から直接指導が受けられる貴重な機会に駆けつけたのは、バスケットボール経験のある町内の中学生25名。ウォーミングアップから始まり、ドリブル、パス、シュート練習など、基本から実践まで丁寧に指導する#14 久岡選手の一挙一動に、参加者は真剣なまなざしを向け、一人ひとりが技術向上に向けて熱心に取り組んでいました。中でも、タッチすると色が変わるコーンを取り入れたシュート練習は初めてだったようで、戸惑いつつも判断力や瞬発力を高める普段とは違った経験を、とても楽しんでいる様子が伺えました。




クリニックも佳境に入り、参加者たちの緊張も解れすっかり#14 久岡選手と打ち解けたころ、フリースロー対決「ノックアウトシューティング」がスタートしました。みんなで楽しく競い合いながら、シュートの精度が高められるこのゲーム。この日一番の盛り上がりを見せる中、最後まで勝ち残った1名には、#14 久岡選手からサイン入りのユニフォームがプレゼントされました 。


そしてクリニックの最後に行われたQ&Aでは、中学生からの質問に対し一つひとつ丁寧に答える#14 久岡選手の言葉に、会場に集まった全員が耳を傾けました。
Q1. プロを目指したきっかけは?
A1. 小学校2年生の時にバスケットボールを始め、初めて日本のプロリーグであるBリーグの試合を観戦したことがきっかけです。試合を見て感動しプロになりたいと心に決めました。
Q2. 自分のプレースタイルは?
A2. ディフェンスを自身の最も得意なプレーとしており、ポイントガードとして相手のポイントガードを止めることが多いです。チームに貢献するため、ディフェンスを意識しながらプレーしています。オフェンスは、チームをコントロールすることを重視しており、試合の流れを読んでどの選手にボールを渡すかなどを常に考えています。
Q3. 練習で心がけていることは?
A3. 練習では、試合で起こりうることを想定して取り組むことを重視しています。言われたことだけをこなすのではなく、「こうなりたい」という自分のプレースタイルを確立するために、試合で使うスピードや力強さを意識して練習しています。
Q4. 怪我や不調との向き合い方は?
A4. 大きな怪我をした経験はありませんが、怪我をした際は、復帰した時にどうなっていたいかを具体的にイメージすることが重要だと考えています。例えば、「優勝したい」「得点をたくさん取りたい」といった目標を持つことで、辛い時期も前向きに過ごすことができます。
Q5. 試合中の気持ちの切り替え方は?
A5. 試合中に負けている時やプレーがうまくいかない時は、まず何が原因なのかを冷静に分析します。そして、解決策をチーム全体で共有し、実践します。また、メンタル面では常に前向きでいることを心がけています。自分がやってきたことや、チームとして目指すプレースタイルが正しいと信じ続けることで、必ず良い結果に繋がると考えています。


Q&A終了後には、#14 久岡選手自らが感謝の言葉を伝えながら参加者一人ひとりにクリアファイルを手渡し、その後は職員の皆さまも交えたサイン会・写真撮影など、笑顔あふれる交流のひとときを楽しみました。
久岡 幸太郎が語る、バスケの楽しさとM-HOPE活動の意義
県西地域で初開催となるクリニックを終えたばかりの#14 久岡選手に、今回の開催に込めた想いを尋ねました。
バスケットボールクリニックの目的とは
プロ選手として地域の小中学生向けにクリニックを行う目的は、バスケットボールの楽しさを伝えることです。参加者全員にプロを目指してほしいわけではなく、まずはこのスポーツを好きになってほしいと願っています。また、技術の向上はもちろん、練習への取り組み方や物事の考え方など、バスケットボールだけではなく人生のさまざまな場面で役立つことを学んでほしいと思っています。将来プロになってくれたら大変嬉しいですが、それ以上に、バスケットボールを通じて得た学びを、他のことにも活かしてくれれば幸いです。
五霞町での初めてのクリニックを振り返って
今回のクリニックでは、子どもたちが真剣に話を聞いてくれたことが特に印象的でした。私自身も経験があるのですが、プロの選手が来ると緊張してしまい、普段通りの自分を出すことができない生徒が多いように感じています。そこで、少しでも緊張をほぐしてもらえるよう色々とコミュニケーションを取ったところ、徐々に笑顔が増えて来て良かったと思っています。その中でも、中学3年生の生徒たちは皆とても良い表情をしていたことが心に残っています。
五霞町の中学生へのメッセージ
これまで茨城の中学生と交流する機会があまりなかったため、県西地域で初開催となるタイミングで五霞町に来ることが出来て嬉しいです。クリニックを通して、特に中学生にこれだけは覚えておいてほしいことの一つに「メンタル」の保ち方があります。シンプルに言うと「練習のときに何を意識しているか」ということ。ただ言われた練習をやる、やらされているという感覚ではなく、試合でどう生かせるかをイメージして練習すれば上達も早くなるし、つらい練習が有意義な時間になるはず。常にその意識を持って練習に取り組んで欲しいと思っています。
今年のM-HOPE活動にかける思い
昨年は多忙でクリニックを実施できませんでしたが、今年は個人活動とチーム活動のバランスを考え、開催を決意しました。自分自身の活動はもちろん大切ですが、チームや茨城という地域に貢献することも、プロ選手としての重要な役割であると考えています。茨城ロボッツがもっと有名になるためには、選手一人ひとりが有名になることよりも、チーム全体の知名度を上げることが最重要です。
バイスキャプテンとしてチームに伝えたいこと
私自身、昔はバスケットボールに集中したいという思いが強く、イベント等に対してやや否定的な気持ちを抱くこともありました。しかし、今ではM-HOPEのような地域活動がプロ選手にとって必要不可欠なことだと理解しています。今年は私が率先して自分の考えを発信することで、一人ひとりが「やってみたい」と考える地域活動の実現につながると考えています。
自身が描くM-HOPE活動のこれから
茨城ロボッツは、まだチーム名を間違って呼ばれたり、認知度が低い地域も少なくありません。しかし、私たち選手が新しい地域へと積極的に足を運び、まずはクラブの名前を知ってもらい交流を深めることで、その地域の子どもたちに「ロボッツの試合を見に行きたい!」と思ってもらえる素晴らしい循環が生まれます。このような地道な活動を続けていくことが、5年後、10年後のクラブの底力に繋がると信じています。


茨城ロボッツが地域の「みんな」と共に「魅力と活力あるまちづくり」「誰にでも居場所と出番のある社会の実現」「子どもたちの心と体の成長の種まき」を軸として展開するM-HOPE活動。
今回のクリニックでは#14 久岡選手自らが体現し語ることで、バスケットの技術をはじめ、諦めない心や努力の大切さ、仲間と一緒にプレーする楽しさを参加者全員に伝えられたのではないでしょうか。そして、地域の未来を担う若きバスケットボールプレーヤーたちとの交流は、厳しいプロの世界で戦う久岡選手にとっても、忘れられない夏の思い出となりました。
五霞町からのメッセージ・クリニックが教えてくれたこと
クリニックを終えた翌週に、参加した中学生・五霞町職員の皆さまからたくさんの感謝の言葉が寄せられました。中学生はもちろんのこと、知久町長をはじめとする多くの職員の皆さまにとっても、印象深い一日となったことと思います。
五霞中学校の皆さん
- はじめは緊張していましたが久岡選手の話を聞いているうちに、楽しくなってきました。練習ではドリブルのコツや相手を見てプレーすることの大切さを学ぶことができました。
- 色がランダムに変わるコーンをさわって、その色にしたがってシュートをする練習は頭を使いましたが、自分で判断したり『何色がでるかな?』とドキドキして楽しかったです。色々なことを教えてくれてありがとうございました。また来てくれたら嬉しいです。
- 最後のノックアウトシューティングでは1位にはなれず悔しかったですが、久しぶりにみんなでバスケができて嬉しかったです。
- 短い時間でしたがバスケの事を沢山学べました。前よりもドリブルが上手くなった気がします。機会があればロボッツの試合を見に行って応援したいです。素敵な体験でした‼
- 今まで、NBAを動画で見ていてBリーグはあまり見たことがありませんでしたが、練習会に参加してBリーグも見ようと思いました。特にロボッツを応援しようと思います。
- 久岡選手とペアになり色々なパス交換をしたことは貴重な経験になりました。教わったこと、学んだことをいかして、バスケを楽しみながら一生懸命やっていこうと思います。
- 友達と久岡選手と一緒に楽しくバスケの練習ができたので、いい思い出になりました。前からロボッツの事を知っていたけど、この機会に試合を見たり応援したいと思います。
- 練習に参加してとても楽しかったです。ありがとうございました。基礎練習の振り返りができてよかったです。サインも大事にします。新人戦もがんばります。
- ポケットやパスの練習、レッグスルーをしてからパスなど、たくさん教えてくださりありがとうございました。説明がすごく分かりやすかったです。また参加したいです。
- 今日の練習はすごく勉強になりました。僕は練習をするとき最初なにから手をつけてよいか分からなかったけど、クリニックで習ったことを参考にしたいと思います。
五霞町長 知久 清志 様
今回は素晴らしいクリニックを実施していただきありがとうございました。プロバスケットボール選手のプレーを間近で見ることや実技指導をしていただける機会はなかなかないと思いますので感動しています。このイベントを機に、本町から未来のスター選手が生まれるきっかけとなれば、これに勝る喜びはありません。また、地域の方々がバスケットボールを通じて交流を深めることで、より一層活気あふれる町となることを期待しております。最後に、本イベントの開催にご尽力いただいた茨城ロボッツ様、関係者の皆様、参加者の皆様に、心より感謝申し上げます。また久岡選手におかれましては、新シーズンでの活躍を応援しております。今後とも、茨城ロボッツ様と連携しながら、本町におけるスポーツ振興、特にバスケットボールの普及発展に、町を挙げて取り組んでまいります。
五霞町職員の皆さん
- 短時間ではありましたが子どもたちにとってはかけがえのない貴重な経験になったと思われます。久岡選手も大変優しい語り口で丁寧に指導をしてくださいました。Q&Aではスポーツ選手としての生き方等にも触れることができ、キャリア教育にもつながりました。
- プロ選手からの指導、対話を通しての様々な体験は、五霞中バスケ部の生徒にとって貴重な時間となりました。子どもの頃にプロの試合を見て感動しプロ選手を志したという久岡選手の動機は、生徒にも何か響くというか、夢を持てる話だったと思います。
- 久岡選手からご指導をしていただく機会は生徒にとって一生の宝物になったと思います。実践練習はもちろんですが、久岡選手の考え方などはすごく勉強になったと思います。
- プロの選手に教えてもらえる機会があり、中高生が羨ましいと思いました。久岡選手の技術を間近で見ることができ、子どもたちの目が輝いているように感じます。五霞町のスポーツ振興に繋がることに期待しています。
- ノックアウトシューティングで勝利し、ユニフォームをゲットした中学生が特に印象的でした。本当に嬉しそうな表情で、こちらまで笑顔になってしまいました。貴重な体験をありがとうございました。
- 基礎的な練習から応用の練習まで、指導者としてもとても勉強になりました。『つらいときこそ前向きに』精神で、バスケも仕事も取り組んでいきたいと思います!

寄せられた感想の一部を抜粋してのご紹介となりますが、参加者の皆さんからいただいた感想は全て#14 久岡選手にお届けし、M-HOPE活動の次なる挑戦へとつなげてまいります。
ご参加いただいた中学生の皆さま、そしてクリニック開催を支えてくださった五霞町職員の皆さま、ありがとうございました。


