取材・文:茨城ロボッツ text by IBARAKI ROBOTS
写真:茨城ロボッツ photo by IBARAKI ROBOTS
茨城ロボッツの「M-HOPE TICKET」をご存じですか?
茨城ロボッツが皆さまと共に取り組む地域貢献活動「M-HOPE(エム-ホープ) ~みんなの希望~」の一環である「M-HOPE TICKET」。2017年からスタートしたこの活動では、これまでに身体的な理由などから観戦が難しい方々や児童養護施設・障がい者施設などの子どもたちをホームゲームに招待する取り組みをはじめ、茨城ロボッツの選手が先導する企画も実施してきた。
M-HOPE TICKETの取り組みに賛同し、熱い声援を送り続けている2団体、児童発達支援事業・放課後等デイサービスを展開する「ウィズ・ユーひたちなか」様と、幼児~18歳までの子どもたちをサポートする児童養護施設「石崎学園」様からお話を伺った。
会場に響く「GO!GO!ロボッツ!」の大声援
子どもたちの眼差しの先には憧れの選手の存在が
2025年4月23日(水)、今季のホーム最終戦となるこの日、この時期ならではの柔らかな雨が会場をつつむ中、晴れ晴れとした笑顔でインタビューに答えてくれたのは「ウィズ・ユーひたちなか」の小学生たち。
この日は、#13 中村功平選手の連続得点を皮切りに、第2Qでは#10 陳岡流羽選手、#0 ロバート・フランクス選手の3Pシュートなどでテンポ良く得点を重ね43-33と千葉ジェッツをリードして前半が終了。ホーム最終戦での勝利を願う応援席の熱気をそのままに、興奮冷めやらぬ様子で茨城ロボッツへの思いをそれぞれが語ってくれた。
大事そうにメガホンを握りしめた小学2年生の女子児童に、試合のどんなところが楽しいか尋ねたところ「みんなと一緒にメガホンを叩いて応援するのが楽しい」との答えが返ってきた。後半戦も大好きな#20 ジェハイヴ・フロイド選手に大きな声援を送ると元気いっぱいだ。
好きな選手を尋ねると、しばらく考えてから「ロボッツの選手全員」と答えてくれた小学2年生の男子児童。平日のナイトゲームは終了が21時を回ることもあるが「試合を観るのが楽しいから眠くならない」と目を輝かせた。

ケガで離脱中の #3 長谷川暢選手、#11 チェハーレス・タプスコット選手推しだと話す小学6年生の女子児童2人。それぞれに推しの選手たちへの応援メッセージをお願いすると「とにかく早くケガを治してどんどん点数を入れてほしい」「ケガを治して3Pシュートをたくさん決めてほしい」と、選手の状態を心配しつつ一日も早いコートへの復帰を願う。
そして、自身もバスケットボールの練習に励んでいるという小学6年生の男子児童。前半戦で最も印象に残ったプレーを尋ねると「中村功平選手の3Pシュートがカッコよかった」と即答してくれた。憧れの存在である#13 中村選手に「これからも3Pシュートをたくさん決めて欲しい」と、力強いエールを送る。
これは愚問かと思いつつ「みんなはバスケットボールが好きですか?」と質問してみると、少し驚いた表情を見せながら「もちろん」と言わんばかりに全員が大きく頷いた。ハーフタイムが終わり、気合を入れなおし意気揚々と後半戦の応援に向かう小さな応援団たちの背中は、大人以上にたくましく思えた。

一人ひとりの応援がチームに勇気を与え
圧巻のプレーの数々はみんなの明日への活力に
選手たちの迫力あるプレー、会場の熱気、応援席の一体感に魅了されるのは、もちろん子どもたちだけではない。
この日も、ユニフォームを着用して応援に駆け付けた石崎学園の職員の皆さんは「屋外のスポーツと違い天候に影響されないので今日のような雨の日でも生徒たちが思い切り応援を楽しめるのもバスケットボールの魅力」と話す。
初めてM-HOPE TICKETを利用してアダストリアみとアリーナに訪れた3年前、茨城ロボッツのあまりにも劇的な逆転勝利を目の当たりにしたのをきっかけに「すっかりハマってしまった」と笑うのは施設長の北野誠さん。現地観戦の魅力を尋ねると「一流のプレーを間近で見られる臨場感と、大人も子どもも一丸となって応援できる一体感」を挙げる。「特に子どもたちは『一番大きい声で応援する!』といつも張り切っている」と笑顔を見せた。B2時代から応援し続けている「ロボッツファンの先輩」でもあるご自身の娘さんに色々とレクチャーを受けながら、奥様も誘って家族全員で現地に足を運ぶことも多いという。

母娘で応援に訪れた職員の青山千尋さんは「アリーナグルメも楽しみの一つ」と話す。ここでしか味わえない特別なメニューが豊富に揃う中で、青山母娘のお気に入りは必ず食べるという「りんご飴」と「肉巻きおにぎり」。施設の子どもたちも思い思いのグルメを堪能しながら観戦を楽しんでいるようで、「大人と子どもが同じ体験をし、お互いの感想を共有できる機会」をこれからも大切にしたいと話す。
M-HOPE TICKETの活動を通して「バスケットボールに興味を持つ子どもたちが増えた」と話す職員の前川好雄さん。最近では、部活動を選択する際にバスケットボール部に入部する子どもたちも多いのだとか。施設では職員と一緒にバスケットボールをプレーし、年齢問わず「茨城ロボッツの話題で盛り上がれる」そうで、今ではホームゲームの観戦は、学園全体が心待ちにしている大切な行事の一つとなった。

M-HOPE TICKETは、これまで様々な事情から「外出の機会が少なく、外部との関わりや社会経験も乏しかった」という子どもたちが現地に足を運び「大勢の大人と一緒に観戦を楽しむ貴重な機会」になっているという。勝利の喜びや敗戦の悔しさに一喜一憂しつつ、それでも声援を送ることの大切さを学ぶ機会になっているのかもしれない。「選手が懸命に頑張る姿から大人も子どもも勇気をもらえる」場所でもあると話し、「今後もM-HOPE TICKETの活動を続けてもらいたい」と期待を寄せる。

茨城ロボッツが描く「M-HOPE~みんなの希望~」のこれから
茨城ロボッツが提案する地域貢献活動「M-HOPE(エム-ホープ) ~みんなの希望~」では、
①みんながロボッツで元気になれる
②みんながバスケットボールを愉しめる
③みんなのチャレンジを応援する
④みんなで地域の未来をつくる
⑤ロボッツとカラフルな社会づくり
をテーマに掲げ、ロボッツの活動やバスケットボールを通じて地域が元気になる企画を発信中。ファンの皆さまと共に成長を続ける「M-HOPE~みんなの希望~」の今後に、ぜひご注目ください。
