【M-HOPE】高校生の視点が変わった “心のバリアフリー”  体験 ~ 牛久栄進高校で車いすバスケ体験会を開催 ~

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取材・文:茨城ロボッツ text by IBARAKI ROBOTS
写真:茨城ロボッツ photo by IBARAKI ROBOTS

茨城ロボッツと茨城県立医療大学との連携企画「【B.LEAGUE Hope × 日本生命 地域を元気に!バスケACTION】 車いすバスケットボール体験会」を、茨城県立牛久栄進高等学校にて実施しました。

本企画は、地方創生を目指すB.LEAGUEと、日本全国に広がるネットワークを持つ日本生命が手を携えた共同事業「B.LEAGUE Hope × 日本生命 地域を元気に!バスケACTION」プロジェクトの一環として行われました。
茨城ロボッツが賛同企業の皆さまと共に取り組む地域貢献活動「M-HOPE」として、パラスポーツを通じた地域社会の活性化とサステナビリティ向上を目指すアクションです。

当日は、同校の男女バスケットボール部員52名が参加。学内の部活動の枠を超え、車いすバスケを通じて多様性を理解し心のバリアフリーを学ぶ機会となりました。

目次

バスケ部員が熱狂!初めての車いすバスケ体験

体験会は、茨城県立医療大学の車いすバスケットボールチーム「ROOTs(ルーツ)」の学生たちが参加者のサポート役となり、各班に分かれて交流を図ることからスタートしました。

競技用車いすの基本的な操作方法を学んだ後、生徒たちはパスやシュート練習に挑戦。
体験の締めくくりには3対3のミニゲームが実施され、体育館には激しいタイヤの音と歓声が響き渡りました。
普段は足を使ってプレーするバスケ部の生徒たちは、腕の力だけで移動・ドリブル・シュートを同時にこなす難しさに直面しながらも、次第にコツをつかみ、大学生も驚くほどのスムーズな連係や白熱した得点シーンを披露。会場には多くの笑顔があふれていました。

競技用車いすに乗り、コートを全力で駆け抜けた高校生たちは何を感じたのでしょうか。
バスケットボールを愛する競技者としての視点、そして「心のバリア」がほどけた瞬間の生徒たちの素直な驚きや感想を紹介します。

先輩方の活動を間近で体験でき、すごく刺激を受けました!最初は『障がい者スポーツ』という言葉に少し構えていた部分もありましたが、実際にプレーすると卓越した技術が必要で、最高にかっこいい競技だと実感しました。私も先輩方のように、誰かの幸せをサポートできる専門職を目指したいです。(3年生男子)

思った以上にスピードが出ず、腕だけで動かしながらのドリブルやシュートは本当に大変でした。でも、どんな形でもみんなでスポーツをするのは最高に楽しいと改めて感じました。試合でシュートが決まった時の感動は一生忘れられません!視点が変わる貴重な経験になったので、またぜひ挑戦したいです。(2年生男子)

車輪を回すとそのまま進んでしまうので、ボールを持ったまま止まる操作が難しくて驚きました。最初は不安もありましたが、大学生の皆さんが優しく接してくれたおかげで、心の壁が低くなって最後まで笑顔でプレーできました。バリアを嘆くのではなく、みんなで楽しく攻略する大切さを学んだ一日でした。(2年生女子)

普段のバスケとは勝手が違い、腕の力が足りず思うように曲がれない悔しさを知りました。競技を通じて、街中の小さな段差や傾斜など、車いすユーザーの視点に立って初めて気づく不自由さがたくさんありました。この経験を忘れず、これからは相手を思いやる気持ちを、勇気を持って行動に移していきたいです。(2年生女子)

行政が結ぶ新しい絆。牛久の街に「共生の文化」を根付かせるために

ROOTsが掲げる「車いすバスケを通じて社会を元気にする」という志に深く共感し、本プロジェクトに賛同した牛久市職員の片岡 憲一氏。
以前、同大学の活動に参加した際に、障がいを個人の欠陥ではなく「社会側のバリア」として楽しく攻略する対象と捉えるという姿に感銘を受けたことがきっかけでした。
この高い志を地元の牛久栄進高校の生徒たちにも届けたいと考え、行政の立場から今回の橋渡しを行ったといいます。

牛久市職員・片岡 憲一 氏

「地元のプロスポーツチームである茨城ロボッツが学校教育の現場に深く関わり、大学生と共に指導にあたる意義は非常に大きいと感じています。高校生という多感な時期に、パラスポーツを知識ではなく実体験として取り込むことは、彼らが将来社会へ出た際の大きな糧となるはずです。普段は足を自在に使える生徒たちが、腕の力だけでプレーする難しさや、車いす特有のスピード感、そして卓越した技術を知という経験こそが、車いすユーザーの視点に立った『心のバリアフリー』を机上の空論ではなく、具体的な行動へと移す原動力になると信じています。
この取り組みを一過性のイベントで終わらせるのではなく、繰り返し実施し体験を重ねていくことが地域に理解を根付かせる鍵となります。今後も連携をさらに深め、この活動を牛久市の文化の一つとして育ててまいりたいと考えています。」

未来を担う生徒たちへ。多様性を肌で感じる機会を創出

「教育とは一生の記憶に残る体験を与えること」―。
そう語る牛久栄進高等学校の奈良由紀子校長は、今回の体験会を生徒たちの「心の探究」の場として位置づけました。奈良校長の言葉からは、パラスポーツが持つ真の教育的価値が見えてきます。
 奈良校長は昨年11月に牛久市内で行われた車いす体験会にも自ら参加し、生徒たちにも「勉強だけでは得ることのできない一生忘れない体験」をさせたいと強く願っていたところ、今回の提案があり賛同に至ったと経緯を語りました。
バスケ部員を中心に、県立医療大学に合格した3年生なども含め「障がい」への固定観念を排除する場を提供したいと考えたことが背景にあるといいます。

茨城県立牛久栄進高等学校 奈良 由紀子校長

「パラスポーツの体験は、生徒たちにとって一生の記憶に残る極めて貴重な学びです。私は常々、障がいを『かわいそう』という同情の対象にするのではなく、限られた条件の中で発揮される尊い力や精神面の強さ、そして磨き上げられた卓越した技術そのものに、純粋な驚きと敬意を感じてほしいと考えてきました。
昨年11月、私自身が車いす体験に参加した際、その難しさと同時にスポーツとしての奥深さを実感しました。受験勉強も大切ですが、こうした『目線の変化』を伴う実体験こそが、固定観念を打破し心のバリアを低くする理想的な教育の形です。
今回の体験を通じ、生徒たちが車いすユーザーの方々の視点に立ち、自分に何ができるかを自ら考え、自然に相手へ歩み寄れる大人になってくれることを切に願っています。学校という枠を超え、プロチームや大学生といった地域の力と繋がることで、生徒たちの学びはより深く、豊かなものになると確信しています。」

共に学び、個性を認め合う社会を目指して。

今回の体験会は「B.LEAGUE Hope × 日本生命 地域を元気に!バスケACTION」の理念に基づき、関係各所が一体となって「心のバリアフリー」を体感的に学ぶ貴重な機会となりました。
体育館に響き渡った高校生たちの歓声は、障がいに対する固定概念がほぐれ、「楽しく攻略すべきバリア」へと意識が変化した証ではないでしょうか。この日の驚きや敬意は、街のいたるところに潜む小さな「不自由さ」に対し、自ら考え行動するための大きな原動力になるはずです。

茨城ロボッツは今後も「M-HOPE」活動を通じて、地域の皆様と共に「心のバリアフリー」を通じて学び、考え、支え合う社会の実現を目指し、互いの個性を認め合う喜びを発信していきます。

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