取材・文:茨城ロボッツ text by IBARAKI ROBOTS
写真:茨城ロボッツ photo by IBARAKI ROBOTS
9月28日(日)に茨城県東海村で開催された東海村主催の「スポーツフェスタTOKAI2025」にて、茨城ロボッツと茨城県立医療大学との連係企画「車いすバスケで熱くなろう 車いすバスケットボール体験会」を実施いたしました。
地方創生を目指すB.LEAGUEと、日本全国に広がるネットワークを持つ日本生命が手を携えた共同事業「B.LEAGUE Hope × 日本生命 地域を元気に!バスケACTION」プロジェクトの一環としてスタートし、今回の開催で2回目を迎えます。
これまで地域社会の活性化を目的に各地で様々な活動を展開・支援してきた両者の取り組みは、地域の人々に元気と希望を届け続けています。
当日は東海村の住民を中心に、家族連れや高齢者、友人同士で来場した中高生の姿も見られ ‟小さなお子さんから高齢の方まで、全ての世代が運動に親しむきっかけづくり” をコンセプトとした住民総参加型のスポーツイベントを心待ちにしていた方々でにぎわいました。
車いすバスケ体験会ではぐくむ「心のバリアフリー」
体験会の会場となった村立東海南中の体育館にも多くの参加者が足を運び、子どもから大人まで様々な年代の方々に車いすバスケを体験していただくことが出来ました。
この日、体験会の運営を行っていたのは県立医療大学で「障がい者スポーツ研究会」に所属し、車いすバスケットボールチーム「ROOTs(ルーツ)」のメンバーとして活動する大学生5名と、保健医療学部理学療法学科で准教授を務める橘 香織先生。
「車いすバスケを体験したい方は中央にお集まりください!」との呼びかけに、少し緊張した面持ちの参加希望者たちが次々と集まります。車いすバスケはもちろんのこと、競技用の車いすに座ることが初めてという参加者がほとんどなので、ROOTsのメンバーが座り方やベルトの装着方法を丁寧にサポートし、いよいよ体験会がスタートしました。


まずは車いすの動かし方を説明し、直進や曲がりたい方向に体を向ける練習を行います。また、参加者同士が打ち解けられるよう「氷おに」や「バナナおに」など全員で楽しめるレクリエーションを取り入れ、緊張をほぐすと同時に仲間意識を高めます。


続いて行われたシュート練習では、通常のバスケットゴールの他にリングに吊り下げたタンバリンが用意され、自分が無理なく狙えるゴールを目指しシュートを放ちます。小さな子どもたちも、初めて車いすに座ったとは思えないほど器用に乗りこなし、スムーズにシュートの列に並んでいる姿がとても印象的でした。


そして体験会の締めくくりに行われるミニゲームでは、大人と子どもが一緒になってゴールを狙います。ここで驚かされたことは、体格や体力に差があってもボールに追いつくことができ、それぞれにチャンスが巡ってくるということでした。ディフェンスこそ体の大きな大人にかなわない様子ではありましたが、ボールに追いつくスピードやライン際の切り返しなどは、バスケットボールの経験もままならない子どもたちのほうが躍動しているようにさえ見えました。






学生チーム「ROOTs」が広げるパラスポーツの魅力
車いすバスケは障がいのある方のために考案されたスポーツですが、パラスポーツに対する認知度が上がっている近年は、健常者の参加も増えているといいます。
茨城県立医療大学では約15年前に「障がい者スポーツ研究会」の活動の一つとして車いすバスケのチーム「ROOTs」を結成し、これまでに「全国車いすバスケットボール大学選手権大会」での優勝も経験しています。現在は約30名のメンバーと共に週3日の練習に励む一方で、学内外での車いすバスケ体験会を開催し、車いすバスケの楽しさを広める活動を続けています。
「ROOTs」のメンバーの一人である3年生の原 秀羽(はらしゅう)さんに、車いすバスケの魅力を尋ねたところ「障がいやスポーツ経験の有無に関わらず全員が熱くなって楽しめることです。」と語り、年齢や性別、障がいの有無に関わらず一人でも多くの人に体験してもらいたいとの思いで活動を続けているとお話しいただきました。
「『スポーツフェスタTOKAI2025』のような地域住民向けのイベントの一角で車いすバスケの体験会を開催できたことは、非常に意義深いことです。」と話すのは、理学療法士であり、日本パラスポーツ協会公認 上級パラスポーツ指導員などの資格を持つ准教授の橘香織さん。障がい者スポーツにフォーカスしたイベントではなく、健常者が慣れ親しんだ場で「誰でも楽しめるスポーツ」として車いすバスケが自然と溶け込んでいる様子に、満面の笑みを浮かべました。
この日、初めて車いすバスケを体験した方々のアンケートには「楽しかった」「またやってみたい」「パラスポーツへの理解が深まった」という前向きな感想が多く寄せられました。
初めて座った車いすから見た景色は、相手の立場を理解し共感することをはじめ、立場の違う人たちが共にプレーすることの楽しさなど、様々なことを教えてくれたのではないでしょうか。




「地域が元気になる」活動をフレンドリータウンと共に
「B.LEAGUE Hope × 日本生命 地域を元気に!バスケACTION 心のバリアフリープロジェクト」の一環として実施した車いすバスケ体験会。茨城ロボッツは、県内全域を巻き込んだ「心のバリアフリー化」の浸透を目指し、今シーズンはフレンドリータウンである東海村とタッグを組むことで、新たな可能性を切り開くことができました。
今回のイベントの主催者である東海村様と、茨城ロボッツの春日結汰からのメッセージをお届けし、これからの「心のバリアフリープロジェクト」成長を皆さまと共に描いていきたいと思います。
~車いすバスケ体験で広がる地域住民の輪とパラスポーツへの理解~
東海村では「東海村スポーツ推進計画」の基本理念である「スポーツを通して人がつながり、まちが元気になる」を達成するため、スポーツフェスタTOKAIを開催しております。
第5回のブース内容を検討するにあたり、茨城ロボッツ様と県立医療大学様が共同で実施された「車いすバスケットボール体験会」を知り、このパラスポーツ体験は、普段なかなか触れる機会のない競技を住民の方々が体験できる大変良い機会になると考え出展のご相談をさせていただきました。
村で体験を実施する場合、道具や指導者の確保が難しいという課題がございます。そうした中で道具をご準備いただき、実際にプレーされている学生の方や指導されている先生方にご協力いただけたことは大変ありがたいことでした。当日は参加者が順番待ちの列を作るほどの人気となり、参加された方からは「またやりたい」という声が上がるなど非常に好評を博し、実施できて心より良かったと感じております。本体験会では、単に車いすバスケをプレーする楽しさだけでなく、車いすをご利用の方がどのような目線で普段生活されているのかを体験してもらう貴重な機会となりました。
令和5年9月に茨城ロボッツ様とフレンドリータウン協定を締結して以来、ホームゲームでの東海村PRデーの開催や、村発足70周年記念式典マルシェでのナインフープス出展など、茨城ロボッツ様との連携を深めてまいりました 。
今後も住民の皆様がスポーツに触れるきっかけづくりとなるような取り組みや、まちづくりにつながる新たなイベントの実施、そしてM-HOPEなどの地域貢献活動にも協力させていただき、地域ぐるみで茨城ロボッツ様を応援していきたいと考えております。
[東海村教育委員会生涯学習課 課長 深見 孝志]
~目指すのは県内全域を巻き込んだ「心のバリアフリー化」~
「B.LEAGUE Hope × 日本生命 地域を元気に!バスケACTION 心のバリアフリープロジェクト」は、今年で2シーズン目を迎えます。茨城ロボッツは、この全国的な取り組みの旗振り役として、単発の企画に留まらず、茨城県全域を巻き込む活動にしていくことを目標としています。この目標を達成するため、クラブ単体ではなく地域の皆様と共にプロジェクトチームを組み「心のバリアフリー化」の浸透に努めています。
活動の中心である車いすバスケ体験会を推進しているのは、この競技を心から愛する地元の学生たちです。彼らの中には、もともとバスケットボール経験者もいれば、バスケ自体が初めての学生も多くいます。彼らの多くが「座ってみたら楽しくて気づいたら熱中していた」と語るように、車いすバスケを好きな気持ちが、体験会参加者への高いホスピタリティとなって現れており、活動は大好評をいただいています。
学生たちはこの活動を通して「好きなこと」への理解を深め、それを誰かに伝える難しさを学び、好きなことをやり続けることの意味を見出しています。茨城ロボッツは、彼らがこの成功体験と貴重な思い出を糧に、大きく社会へ羽ばたいてくれることを期待しています。
ファン・ブースターの皆様には、彼らが茨城ロボッツというコートの中で思いっきりプレーし、時に役割を変え、誰かを頼りながら夢中になる姿を、ぜひオンコートで見て感じていただきたいと考えております。皆様のご参加が、彼らの自信と思い出となり、将来困難に立ち向かう際の非常食となってくれるでしょう。
この一連の活動を通じて、バリアフリーへの理解を深め、DE&I(ダイバーシティエクイティ&インクルージョン)の浸透に繋げ、それが茨城ロボッツらしさを形づくると信じています。今シーズンもプロジェクトのご案内を差し上げますので、皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
[茨城ロボッツ 春日 結汰]
日々進化を続ける「B.LEAGUE Hope × 日本生命 地域を元気に!バスケACTION 心のバリアフリープロジェクト」のこれからに、どうぞご注目ください。



