茨城ロボッツのフロントスタッフにフォーカスを当て、普段どんな仕事を、どんな想いで取り組んでいるのかを伝えていく企画「Inside of ROBOTS~ロボッツを支える仲間~」。
第8回は、ロボッツのグッズデザインなどを担当する永井優介。水戸出身の彼は東京でデザイナーとして活躍していたが、30歳を過ぎてから地元へUターン。フリーでの活動を経てロボッツに加わった。地元・水戸の街を盛り上げたいと強く語る彼の夢とは──。
デザインを通して地元に貢献できる仕事に携わりたい
ー永井さんの経歴について教えてください
出身は水戸なんですけど、東京で就職してデザイナーとしてメーカーやデザイン会社などに勤務してきました。具体的には、ガラス食器メーカーで品質保証や商品企画を担当したり、大手飲料メーカーの広告や雑貨店のグラフィック、美容系の冊子の編集など、デザインという軸は保ちつつ、業種や領域に関係なく幅広い分野の仕事に挑戦していました。
デザインの仕事を続ける中で30歳をすぎて、働き方を模索していたときに「地元でも働きたいな」と思うようになりました。そこで水戸にUターンしてフリーのデザイナーとして活動をはじめることにしました。
ーロボッツで働くようになったきっかけは?
Uターンで水戸に戻ってきたものの、始めは地元にあまり仕事関係のつながりがなく、結局県外の仕事を受けることが多かったんです。これだとせっかく水戸に戻ってきたのにあまり意味がないなと思い、「県内に自分ができる仕事はないだろうか」「就職する選択肢もありかも」といろいろ探していました。その中でロボッツの求人を見かけて、応募してみたのがきっかけでした。
山谷さんやM-SPO代表の川﨑さんと話している中で「地域に貢献したい」という気持ちにとても興味、共感を持つようになり、ロボッツで働いてみたいと思うようになりました。これまで自分はスポーツとあまり関係のない世界で生きてきたのですが、スポーツだけではなく地域貢献に関われるのが面白そうだなと。やっぱり地元に根ざした仕事だったことが大きいですね。
ー永井さんが思う水戸の良いところってどんなところですか。
水戸は地元で愛着もありますけど、正直今まで県外の友達を招待しようと思ったことがあまりなかったんです。納豆、野菜、干し芋など特産品はありますが、わざわざ自慢したこともなかったです。
水戸の特産品である納豆とか干し芋は、全体的にどうしても色合いが地味な印象が強いなと感じています。私はデザインをずっと仕事にしてきたので、そうした部分も含めてなかなか伝わりにくい地元の魅力を、デザインを通してもっと魅力的にできたら面白そうだなと。ロボッツは川﨑さんをはじめ地元の企業とも関わりがたくさんあるので、やりがいも感じています。
自分がバスケ初心者だからこそロボッツを知らない人にもわかりやすく伝える
ー普段のお仕事を教えてください。
ロボッツのグッズのデザインが主な仕事です。それからM-SPOのバスケスクールの広告や、M-SPO主催のイベントチラシの制作、M-SPO内にあるカフェ&バル「BLUE×BLUE(旧:ME-EAT)」のリニューアルに関するデザインなど様々な部分に関わっています。
ーグッズのデザインってどうやって行われているのですか
グッズに関しては、MD(グッズ)チームでどんなグッズをつくるか、売り方やデザインを含め話し合いながら、形にしていきます。入社して半年ほどですが、Tシャツやマグカップ、タオル、ブランケット、スマホリングなど今までデザインしたことのなかったもののデザインに携われて楽しいですね。
スポーツ業界のデザインで難しいのは、色の使い方です。ロボッツなら「ブルー」と「オレンジ」のようにチームカラーが存在します。アイテムの種類やデザインによっては、チームカラー以外の色を選択しなければいけない時もありますので、その時にいかに違和感なくデザインできるか、他の業界と比べても丁寧に考える必要があるなと感じています。
ー特に思い入れのある仕事はありますか。
思い入れのあるものとしては、昨年10月に起きた台風19号の時に制作したチャリティーTシャツです。2019-20シーズンのスローガン「RUN as ONE」にならって「IBARAKI as ONE」というメッセージをMDチームで考えてデザインに落とし込みました。水戸も広範囲で浸水被害にあったので、少しでも地元の役に立てたらという思いでしたね。
最近だと同じく水戸をホームタウンに構えるプロサッカークラブ・水戸ホーリーホックとコラボしたネックストラップのデザインを担当させてもらうなど、やりたかった「地元に還元ができる仕事」が出来ているなと実感しております。
グッズ以外での大きなプロジェクトとしては、ロボッツグループが運営する飲食店「M-SPO TERRACE BLUExBLUE」のリニューアルです(2020年3月リニューアル)。これまでの「ME-EAT」のコンセプトがしっかりしていたので、良い部分は残しながら、もっと魅力が伝わるようにデザイナーとして工夫しましたね。
水戸の街中に賑わいを取り戻すのがM-SPOのミッションなので、BLUE×BLUEに関しても、思わず入りたくなる様な楽しそうな空間を目指しています。
これまでは「飲食店だけど中がどうなっているか」、「何のお店かが分わかりづらい」など、入りづらいと感じる方もいらっしゃったので、飲食店だと一発で目にとまるような看板を正面に設定することで、入店しやすくなる動線づくりを心掛けました。他にも店舗の外観だったり、サイン計画(案内サイン)やメニュー、ポスター、チラシなどデザインすることがたくさんあり、正直目まぐるしい作業量でしたね。時間がない中で店内の看板などは自作したりして時には自分を追い詰めたりしながら頑張りました(笑)。
ー様々なデザインに携わる永井さんが仕事をする中でやりがいを感じる瞬間はありますか
ファン・ブースターの皆さまがロボッツのグッズを使ってくれているのを見た時ですかね。アリーナはもちろん、時々街中で見かけたり、ショップで自分がデザインしたものを購入してくださったところに偶然立ち会ったりすると内心テンションが上がります。
試合が開催される日だと、アダストリアみとアリーナの入口にある選手たちの柱巻き横断幕のデザインも担当したので、そこの前で記念撮影してくださっている所を見かけるとやっぱりうれしいですね。
ー反対に仕事で大変なことは
スポーツも飲食も今まであまり関わったことがなかったジャンルなので、足りない知識を日々キャッチアップするのは大変ですね。バスケットのルールや専門用語もそうです。逆に、自分が一番バスケ初心者でもあるので、ロボッツやバスケットをまだ知らない方に向けて分かりやすいようにつくることがやりがいでもある反面、難しい部分でもあるので日々試行錯誤しながら制作しています。
M-SPOを拠点に水戸を盛り上げ、県外の友人にも自慢できる街にしたい
ー今後の夢や目標を教えてください。
ロボッツのグッズもたくさん種類が増えてきていますが、「ロボッツといえばこれ!」というような定番品を作りたいですね。新定番の応援グッズとして制作したNATTO HEADのデザインも担当しましたが、他にも試合の応援が盛り上がるようなグッズはどんどん増やしていきたいですね。
それから、M-SPOを拠点に水戸の街をもっと盛り上げたいと思っています。水戸に県外の友達を呼んで「ここが地元だよ、おもしろいでしょ」と自慢できるような場所にしたい。そのためにも、まずはロボッツやM-SPOを盛り上げて水戸の活性化につなげたいですね。そうすれば、同じような意識を持った仲間も増えるかもしれません。デザインの思考を活かして街づくりに貢献できるような働き方をしていきたいです。