心のバリアフリーを茨城から伝えたい!車いすバスケットボール体験会開催

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茨城ロボッツは、「B.LEAGUE Hope × 日本生命 地域を元気に!バスケACTION」の一環として、茨城県内の2つの団体と連携し、「心のバリアフリープロジェクト」を2日間に渡って実施する。その取り組みの一つとして、2月8日(土)に茨城県立医療大学で実施される「車いすバスケットボール体験会」を紹介し、企画実施の経緯やプロジェクトを進めるメンバーの想いに迫った。

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車いすバスケを体験して知ってもらうイベントへ

現在、「改正障害者差別解消法」や「心のバリアフリー」といった取り組みが進み、障がいを理由とした差別をなくすための対策が強化されている。しかし、その意識がすべての人に浸透しているとは言えないのが現状だ。

今回の企画の背景には、車いすバスケットボールを通じて障がいのある人々と関わる中で得た「実際の体験を通じた理解の大切さ」がある。障がい者と接する機会が少ない地域社会では、障がいに対する理解さえも進んでいないのでは、という課題を茨城県立医療大学の学生たちは感じていた。そこで、実際に車いすバスケットボールを体験することで、参加者が障がい者の視点に立ち、意識改革のきっかけを得ることを目指した。

イベントを創り上げるのは、茨城県立医療大学の車いすバスケ部「ROOTs」とBリーグ所属の茨城ロボッツだ。「ROOTs」は全国車いすバスケットボール大学選手権大会で優勝経験を持つ実力派チームで、障がいの有無を超えたメンバーが活動している。一方、茨城ロボッツは地域課題解決活動「M-HOPE」を通じ、地域社会の発展に取り組んでいる。

両者は2024年に連携協定を締結し、学生の学びの機会を広げるとともに、地域活性化を目指した取り組みをスタートさせた。今回のイベントはその一環として企画され、大学生が企画や運営に参加することで、車いすバスケットボールを「誰もが楽しめるスポーツ」として広め、心のバリアフリー化を目指していく。

車いすバスケについて

車いすバスケットボール(以下、車いすバスケ)は、障がい者スポーツの中でも特に人気が高い競技の一つ。基本的なルールは通常のバスケットボールに近いが、車いす特有のルールや技術が加わり、独自の魅力を持っている。

主に下肢に障がいを持つ選手が車いすを使用して行う競技だが、障がいの程度に応じて健常者も参加が認められる場合があり、競技の公平性を保つために特別なクラス分け(ポイント制)が採用されている。

競技用車いすは、スピードや旋回性能を重視した特別な設計がされていて、タイヤの角度を内側に傾けた「キャンバー」構造によって安定性が高まり、急な方向転換が可能となっている。車いすを巧みに操作しながら繰り広げられるスピーディーな攻防は、見る人を引き込む魅力がある。

バスケットボールは、ワールドカップでの日本代表の活躍や映画「スラムダンク」の影響で人気が急上昇しているが、車いすバスケの知名度はまだまだ低いのが現状である。

そのような背景の中、東京2020パラリンピックでは日本代表が銀メダルを獲得したことは、多くの注目を集めるきっかけとなったが、実は日本の車いすバスケは国内リーグや大会が実は盛んであることは既出の事実だ。

「自分たちだけが知る車いすバスケの良さ」をもっと広めたい。

左から、ROOTsのメンバー渡辺健祐さん、原秀羽さん、安藤和香さん

茨城県立医療大学の車いすバスケットボールサークル「ROOTs」から3人のメンバーが、茨城ロボッツとともに車いすバスケの魅力を伝える企画に取り組んでいる。ROOTsのメンバーの一人、渡辺さんもかつては車いすバスケに興味がなかったという。

「サークルに入るか迷っていた時、たまたま体育館でROOTsの体験会を見かけました。『少しだけでも体験していって』と言われたんですが、正直断って帰ろうと思っていたんです。でも、押し切られて渋々体験したら、ものすごく楽しくて!」

その時に感じた楽しさをもっと多くの人に知ってほしいという想いから、今回の企画への参加を決意した。

「車いすバスケを体験できる環境が少ない。ロボッツさんと協力することで、より多くの人に体験の機会を提供できるはず。きっと楽しい企画になると思います」と、渡辺さんは笑顔を見せる。

さらに、安藤さんは、「世の中では徐々に障がい者差別に対しての関心が広がってるかもしれないけど、実際に障がいを持った方々と関わる経験は少ないと思います。私たちは車いすバスケを通して、関わる機会が多く、関わってから気付くこともたくさんあります。周りの子はそういった機会があまりないからイメージもつきづらく、差別とはどのようなことか、いまいち理解・関心を持ちきれないのかなと思います。そういった人たちが、障がい者スポーツという視点から、障がいのある方々のことに関して興味を持ってもらえば 、差別もなくなって、関心を持つ人がたくさん現れるんじゃないかなと思い、もっと車いすバスケの楽しさを伝えていきたい考えも込めて、この体験会を企画しました」と熱く語った。

「夢物語で終わらせないために、配慮すべき点も含めて具体的に考え、提案していきたいです。大人の方々と一緒に企画を考えて実行するのは初めてですが、頑張ります!」

車いすに乗れば、皆同じ条件で障がいの有無を問わず楽しめるスポーツ、車いすバスケットボール。その魅力を広く伝えたいという若い力とプロチームの協力が、新たな可能性を切り開こうとしている。
体験会の後にはアウェー島根スサノオマジック戦のパブリックビューイングを開催する。この機会に車いすバスケットボールを体験し、「心のバリアフリー」に触れてみてはどうだろうか。

車いすバスケットボール体験会 開催概要

日時:2月8日(土) 9:30~15:30
会場:茨城県立医療大学

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