文:茨城ロボッツ|text by IBARAKI ROBOTS
写真:茨城ロボッツ|photo by IBARAKI ROBOTS
全国的に「保育」の現場では慢性的な人材不足が続いている昨今、保育士の資格を保有しながらもその職に就いていない「潜在保育士」が増えているという現状をご存じでしょうか。こども家庭庁によると、全国の保育士登録者数約179万人に対し潜在保育士は約111万人(2024年時点)と推計されており、その数は資格保有者の半数以上を占めています。
しかし、結婚や子育てなどライフスタイルの変化を理由に離職した潜在保育士の中には「子育てが一段落したので保育の現場に戻りたい」「別の仕事に就いたもののやっぱり子どもと接する仕事がしたい」など、保育の現場への復帰を希望している方も多くいらっしゃいます。
このように「もう一度、保育士として働きたい!」と望む方々の復職を応援するため、茨城県が運営する「いばらき保育人材バンク」では、保育の仕事を志す求職者に充実した情報を提供しています。
今回は「いばらき保育人材バンク」を活用して保育士に復職した生駒 汐望(いこま しおみ)さん、就職をきめ細やかにサポートする「いばらき保育サポートセンター」職員の高平 竜介(たかひら りゅうすけ)さん、そして生駒さんが働く社会福祉法人仲田会「ミーム保育園」(小美玉市)の園長を務める萱場 祐友(かやば ゆうすけ)さんのインタビューをご紹介させていただきます。
復職して気づいたことは「やっぱり保育の現場が好き」ということ

実際に「いばらき保育人材バンク」に登録し、復職支援を活用して保育の現場に復帰した生駒さんにお話を伺いました。
「もともと子どもが大好きで、子どもたちと関わる仕事がしたいと保育士を志しました。働き始めたときは大変なこともありましたが、子どもたちがとても可愛いく、やりがいを持って楽しく働いていました。」という生駒さんは、新卒で4年間勤務した後、出産を機に離職し、その後、未経験の事務の仕事に挑戦した際に「やはり体を動かす仕事、そして子どもたちと関わる仕事がしたい。」という思いから復職を決意したとのこと。
潜在保育士宛に届く茨城県からの手紙で「いばらき保育人材バンク」を知ったという生駒さんは早速ポータルサイトに登録、事業受託団体である「いばらき保育サポートセンター」の再就職支援を受けました。約3年のブランク期間を経て再び保育士となり、1年半(2025年9月時点)が過ぎましたが「自分のライフスタイルに合った働き方ができ、子どもたちに囲まれ充実した毎日を送っています。」と笑顔を輝かせました。
復職にあたり、不安なことは無かったかお尋ねすると「不安なことはいばらき人材バンクに相談し、希望条件に合った職場の紹介や見学の同行をしてくださったので心強かったです。また、子どもの都合で休める環境かどうかなど、自分では聞きづらいことも代わりに確認してくださるので助かりました。」と、ご自身の就職活動を振り返りました。
最後に、「もし一人で不安を抱えたまま活動していたら、見学に踏み切れず、復職がうやむやになったりしていたかもしれません。職員の方のサポートのおかげで『保育の現場に戻ってきてよかった』と心から思えます。」と感謝の気持ちを伝えてくださいました。




「もう一度、働きたい」と願う保育士さんの再就職を全力でサポート

茨城県の「いばらき保育人材バンク」の取り組みでは、保育士の就職支援、保育士の魅力発信、資格取得支援の3つを中心に、生駒さんのように復職を希望する潜在保育士からの相談に対し、きめ細やかなサポートを行っています。
県内でも毎年多くの潜在保育士が現場に復帰し、保育所における新規採用者の約3割を復職者が占めるという状況下で、いばらき保育人材バンクの求職者支援を担当されている「いばらき保育サポートセンター」の高平さんにお話を伺いました。
求職者の希望に合った保育施設の紹介、履歴書作成のアドバイス、面接日程の調整、面接や施設見学への同行など「求職者一人ひとりに合わせたサポートを行っています。」と話す高平さん。再就職に不安を抱える登録者に対し、「雇用形態、勤務日程など希望を丁寧にヒアリングし条件に合う保育園やこども園を探し、要望があれば面接や見学の同行もいたします。」と万全のサポート体制が整っていることをアピールしてくださいました。
生駒さんのように結婚や出産を理由に離職し、再就職を希望する子育て世代の求職者が多く、固定の勤務時間・休日の希望、お子さんの送り迎えや、体調不良による急な休みへの配慮を求める声も多いといいます。時には園の担当者と求職者の間に入り、働き方について調整することもあるという高平さんは、「安心して働けるようになるまで求職者に寄り添ったサポートをしています。」と、就労後の様子も温かく見守ります。
また、「ブランクがあることで保育の現場復帰に不安を感じたり、『やっぱり無理かもしれない』と躊躇してしまう人も少なくありません。」と話し「あれこれ考えるより、まずは行動してみましょう。納得できるまで見学に行き、生き生きと働く姿をイメージできる園を見つけてほしいです。」と求職者にエールを送ります。

ブランクなんて心配無用
いま「潜在保育士」の豊富な経験が求められています

最後に、保育士の職場環境を整えて活躍の場を用意している萱場さんにお話を伺いました。
ミーム保育園では「安心して関わることができる保育士」「おもいっきり遊ぶことができる場所」「心も体も満足できる食事」の3つを大切にし、子どもたちがやりたいことを実現できる環境と保育士がストレスなく働ける環境を目指しているとのこと。
「スタッフ一人ひとりが主役である」という考えのもと、互いの強みを活かしたチームを作るうえで「子育て経験や異業種での職務経験が、保育の現場で大いに活かされると考えています。」と話す萱場さん。実際に、ミーム保育園では元旅館の女将やオリンピックの元強化選手、アイドルを目指している保育士など、多様な人材が活躍しているそうです。
また、個々のライフプランに合わせた働き方を尊重していることも園の特徴の一つで、結婚や出産、育児や介護といったライフイベントに柔軟に対応できる点も、復職を目指す潜在保育士にとっては利点が多いのではないでしょうか。
萱場さんは「潜在保育士が安心して復帰し、自身の多様な経験や個性を活かして活躍できる場所」を用意し「子どもだけでなく働く保育士たちもやりたいことに挑戦できる園でありたいと思っています。」と笑顔で話してくださいました。
茨城ロボッツは、11月2日(日)に神栖市のかみす防災アリーナで開催されるホームゲームでのPRブースの設置やコラボグッズの制作をはじめ、茨城県とのコラボ企画を通し保育人材の確保と潜在保育士の職場復帰を応援しています。
また、いばらき保育人材バンクでは、11月15日(土)につくば市のイーアスホールで開催される 「就職相談会」、11月18日(火)~12月5日(金)に実施される「保育施設見学ツアー」、保育施設で実際の保育の流れを体験できる「お試し保育体験実習」も実施中です。保育のお仕事に興味がある皆さんのご参加・ご来場をお待ちしております。

平成物産 presents KAMISU HOME GAMES
りそなグループ B.LEAGUE 2025-26シーズン 第7節 GAME2
2025年11月2日(日) 15:05 試合開始
茨城ロボッツ vs 富山グラウジーズ
試合情報はこちら
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