ブースターとのふれあいは許されず。今だからできること
ロボッツの一員として、これまで小中学校でのあいさつ運動を始めとした、ホームタウン活動の前線にも立ってきた岩下。しかし、コロナ禍においては、それもままならない。当然、アリーナでのファンサービスなどにも制限がかかる。岩下は、コロナ禍に一種の折り合いをつけ、「しょうがないこと」とした上で、ファンとの触れ合い方を模索する。
「例えばSNSのつながりであったり、オンラインを使ったファンサービスだったり。できることをやっていかなきゃいけません。新しいファンとのつながり方の発見につながるかもしれませんし。」
直接的なふれあいができないからこそ、オンラインでのつながりが重要と言う岩下。その一方で、彼はある「弱点」を明かす。
「正直、僕はSNSとか、あまり得意ではないので、(積極的には)やっていないんですよね。なので、ちょっと自分としてもやらなきゃなというか、どうやろうかっていうのを模索中です(笑)。」
一方で、やはりチームの本分はバスケットボール。勝つことももちろん、観戦に訪れた人、あるいはモニター越しに戦いを見守る人たちに「面白さ」を届けることにも、岩下は価値を見出そうとしている。それは、競技に携わる者としてだけでなく、プロ興行という、一つの「エンターテインメント」に関わる者として目指す境地だ。
「このコロナの影響で多くの方が苦しく、辛く、難しい状況に置かれているかなと思います。その中で、我々ができることは、皆さんに希望を与えることだと思います。自分はこの仕事に誇りを持っていて、皆さんに希望を与えられる仕事って、非常に少ないと思うんですよね。この仕事に携わることに感謝しながら、皆さんの日々を生きる活力となる、刺激を与えられるバスケットボールを展開していきたいです。」
人々の活力になるようなバスケットボールを求める岩下。その鍵になるのは、グレスマンHCが掲げる「アップテンポなバスケットボール」の習熟にあるという。
「グレスマンHCは、非常にテンポが速くて、得点力のあるオフェンスを展開していこうとしていて、ロボッツに新しいDNAとして伝えようとしています。それは非常に楽しみで、たとえ負けた試合でも、『今日の試合、攻防が激しくて面白かったね、かっこよかったね』というのが、ファンの皆さんに伝わればいい。その上で勝てれば最高です。」
そして、岩下は改めてコート上での戦いが重要なことを強調する。
「コート上で見せること。それが、ある意味昨シーズンやこれまでのシーズンよりも非常に重要になってくると思います。訪れた方やバスケットLIVEでご覧になる皆さんにエキサイティングなバスケットボールをお見せできるようにしっかりと準備していきたいと思いますので、楽しみにしていただけたらなと思います。」
ロボッツの戦いをつぶさに見守る者として。岩下は、チームの悲願である「B1昇格」の重要性を噛みしめている。ブースターに希望を与えるバスケットを掲げる彼のもとで、チームが躍進できるか。全ての答えは、開幕とともに明かされる。
岩下桂太 Keita Iwashita
1988年8月25日熊本県生まれ。筑波大学卒。
【プレー歴】
2007-2011 筑波大学
2011-2012 デイトリック茨城
【指導歴】
2012-2013 デイトリックつくばアシスタントコーチ(JBL2)
2013-2015つくばロボッツアシスタントコーチ兼通訳(NBL)
2014-2015つくばロボッツヘッドコーチ代行(NBL)
2015-2016 サイバーダインつくばロボッツアシスタントコーチ兼通訳(NBL)
2016- 茨城ロボッツヘッドコーチ
※JBA公認A級コーチライセンス保持