取材:文:荒 大 text by Masaru Ara
撮影:豊崎 彰英 photo by Akihide TOYOSAKI

ロボッツにとっては年内最後のホームゲーム。迎えた相手は上位チームと立て続けに熱戦を演じ、上り調子の山形ワイヴァンズだった。ロボッツは序盤からリードを奪い、その後も徐々に山形を引き離していくかに見えた。しかし、山形の逆襲に遭う形で、逆に山形のリードを許す展開に。最終盤までもつれた戦いは、70-77と悔しい敗戦となってしまった。何もかもがかみ合うゲームばかりではないとはいえども、攻守にわたってちぐはぐになってしまったポイントがいくつか見受けられた。修正を施し、すぐに来る連戦に向けて、もう一度チームを立て直さなくてはならない。下を向かず、チーム戦略が何であるか、立ち返って戦ってほしい。

前回対戦とは一変。山形の「間合い」に苦戦

ロボッツはこの試合、スタートを非常に大事に切っていった。#11チェハーレス・タプスコットが外側から積極的にシュートを沈め、さらに果敢にペイントエリアにアタック。タプスコットはこのクォーターだけで13得点を荒稼ぎし、まずは24-15とロボッツがリードを作ることに成功した。

しかし、第2クォーターから、少しずつロボッツの歯車が狂い始める。統率がよくとれた山形ディフェンスを突破できず、ボールの連動性を欠き始めていった。前回10月の対戦時に、ロボッツが「間合い」の主導権を握って、パスワークから試合をコントロールしていったのとは対照的ともいえる状況だった。またこの間、山形が#4和田保彦や#6新号健の3ポイントシュートで得点を重ねたこともあり、ロボッツは一転してビハインドを背負ってしまう。

後半に入って、ロボッツは再びタプスコットの得点力で盛り返し始めるが、彼は同時に、第3クォーターのみで4つのファウルを記録してしまう。さらに第4クォーター残り3分ほどというところで5つ目のファウルを記録して退場。これでロボッツは、オフェンスのキーマンを失ってしまう。それでも、#15マーク・トラソリーニや#27眞庭城聖の3ポイントシュートが決まったことで山形に食い下がり、1点差まで迫る。眞庭のシュートが決まった時点で、残り43秒。時間を考えれば、同点や逆転も視野に入るところだった。しかし最終盤、眞庭がトラソリーニを目指して出したパスがわずかにそれ、#0アンドリュー・ランダルに阻まれてしまう。痛恨のターンオーバー。トラソリーニのアンスポーツマンライクファウルも重なり、万事休すとなった。

眞庭は試合を振り返り、ロボッツのオフェンスをこう分析する。

「チームとしてうまくいっている時のバスケというのは、もっとボールが回っていて、相手のローテーションを崩せている状態なんです。今日の試合は、ミスマッチやズレもできていたんですけど、どうしてもボールが回らず、自分が打破してやろうという気持ちが大きいように見えました。そこからオフェンスのリズムが崩れ、ターンオーバーの数にも出てしまったのではと思います。」

リズムを欠いたときこそ、必要となるのはチーム戦略である「unselfish」と「tough」だ。コート上に立つ仲間を信じてパスを出す。味方のノーマークを作るために、あえて囮役に徹する。今シーズン、ロボッツがチームとして大切にしてきたことを見失ってしまってはいけない。この敗戦は、その再確認の場になったはずだ。

危険水域に入れない「予防」を

この試合、山形のオフェンスでは、ランダルの存在が大きかった。インサイドに向かって積極的にアタックを仕掛けて、23得点を記録。ロボッツにとっては大きな脅威となった。しかし、ロボッツはそれにひるむことなく、ランダルと勝負に出る。結果、一時は彼をファウルトラブルに追い込むことにも成功した。

しかし、山形にはもう一人キーマンが存在した。#33キース・クラントンである。クラントンはインサイドをしっかり面取りしつつパスを呼び、自らにマークが寄った瞬間を見計らったかのように、キックアウトも多用した。この試合、7つのアシストを記録したクラントンは、山形に流れ引き寄せ続けたといえる存在だ。眞庭は、彼に対するディフェンスが後手に回ったことで、ディフェンスのリズムを作りきれなかったと悔やんだ。

「クラントン選手にペイントエリアをやられてしまってから後手後手になってしまって、ヘルプに行くのも中途半端になってしまいました。結果的にクラントン選手から外に振られて気持ちよく3ポイントを打たせてしまい、特に前半で、インサイドもアウトサイドも相手の好きなようなリズムでやらせてしまいました。」

この試合、ペイントエリア外での得点は40-41とほぼ互角だった両チーム。だからこそ、ペイントエリアに対してのディフェンスがいかに重要かが現れた。しかし、そこに必要なのは個人の守備力だけではない。フォワードやセンターの選手がしっかりとマッチアップして決定的な攻め手を封じることはもちろん必要だが、その前段階として危険水域にボールを入れさせないディフェンスもまた必要である。#25平尾充庸はかつて、チームの課題であるリバウンドを指して、「体のサイズで負けていようとも、どう日本人選手が邪魔をし続けるかが重要」と語ったが、相手のパスワークやドライブ、アタックを封じるという点でも、この意識は必要になるだろう。シーズンが中盤にさしかかってきた今、その意識をどれだけハードに持ち続けてプレーに表し、遂行しきるかが問われている。

アウェー連戦、勝ち進んで新年のホームゲームを迎えよう!

ここからの年内の残りの試合は、すべてアウェーゲームだ。プレーオフ圏内が大混戦となっている現在の状況で、ロボッツとしては1試合たりとも手綱を緩めることなく、戦い続けなくてはならない。対戦相手も、連敗を脱出した青森ワッツ、西地区3位のファイティングイーグルス名古屋、東地区でロボッツと勝敗が並ぶ福島ファイヤーボンズと、手強い相手ばかりだ。チームにとってはタフな日々が続くことにはなるが、1試合1試合、目の前の相手にフォーカスして戦うという基本を崩すことなく挑んでほしい。しかし、その厳しいアウェー連戦を乗り越えた先には、ホーム・茨城の熱い応援が待っている。1つでも多く勝利を得て良い流れを作り、年明けからのホームゲームを迎えたいところだ。

今節の対戦相手である青森は、シーズン途中に加入した#12池田祐一や#33カイル・バローンなど、新戦力が徐々にチームになじみ、第11節に連敗を脱出。勢いそのままに、ロボッツを迎え撃とうとしている。特に池田からのパスが青森の攻撃に連動性を生んでいるため、ロボッツとしてはまず彼にどう自由を与えないかが一つの鍵となるはずだ。

対するロボッツのキーマンは#2福澤晃平。3ポイントシューターとしての威力もさることながら、徹底したボールマンディフェンスや、オフェンス時のペイントアタックなど、相手の嫌がるプレーをいくつも選択肢として持っている。攻守を問わず、縦横無尽にコートを駆け回ってプレーできるかが、ロボッツのリズムにつながってくるだろう。

シーズンは中盤戦にさしかかったが、依然としてシーズンの流れは読めない状態が続く。一勝一敗で順位が大きく左右される状態は、しばらく続くだろう。だからこそ確実にいえるのは、勝ち進んでいくことの重要性だ。流れが読めない状況なら、勝って流れを作るまで。ファンやブースターは、ロボッツが力強い戦いぶりを取り戻すことを、心待ちにしている。勝利を願う人々の期待に、ぜひとも応えてほしいところだ。

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