取材:文:荒 大 text by Masaru Ara
撮影:B.LEAGUE

B2東地区と西地区の2位に立つチーム同士の対戦となった、ファイティングイーグルス名古屋戦。シーズンが中盤戦にさしかかる中、上位への生き残りをかけていたであろう両者は、激しい戦いを演じた。GAME1はFE名古屋のオフェンスが爆発し、ロボッツは追いすがったものの突き放されて98-82で敗戦。翌日のGAME2は、ロボッツのディフェンスが終始機能し続け、逆にFE名古屋を突き放して55-75での勝利となった。ロボッツにとっては、今シーズンの最多失点と最少失点を同時に記録したカードとなったわけだが、改めてディフェンスの強度が試合を左右することが結果からも分かる内容だった。タフなシーズンが続く中、試合から課題が再確認できたことを、学びとしたい一戦だったのではないだろうか。

攻めの狙いは明確。だからこそ悔やまれたGAME1の守備

FE名古屋は、この2試合で高度に組織化されたディフェンスを披露。3ポイントラインから内側にディフェンスを固め、ロボッツのペイントアタックを防ぐことで、確度の高い攻撃を封じにかかった。ならばとばかりにロボッツは外角からのシュートを選択したが、これがことごとくリングに嫌われてしまう。第1クォーター、9本放った3ポイントシュートが全て外れたことで、結果的に得点も伸びず、20-13と引き離された立ち上がりとなってしまった。シュートタッチそのものは試合の中で改善をみせ、特に#2福澤晃平が3ポイントシュートのみで15得点を稼いだり、#13中村功平がシーズンハイの14得点を記録するなど、シューター陣の活躍が目立ったことを考えれば、この狙いは決して間違いではなかっただろう。

ペイントエリアでの攻撃においても、#4小寺ハミルトンゲイリーが良い引き立て役となり、くさびとなるパスをたびたび送り込む。これを#15マーク・トラソリーニが落ち着いて決めるなど、形はいくつか作れていた。結果的にエリア内の得点や、セカンドチャンスからの得点では、FE名古屋を上回った。相手がリードする展開の中、度々肉薄できたのは、攻撃の形を作ることができていたからだろう。

一方で、悔やまれたのが相手のインサイド陣に対するディフェンスである。FE名古屋の#12アンドリュー・フィッツジェラルドにはシーズンハイとなる33得点、#33ジェロウム・ティルマンにも20得点を許したことは、大きな課題となった。2人の攻撃力もさることながら、#11杉本慶が計11本のアシストを記録。フィッツジェラルドとティルマン相手だけでアシストが9本に達するなど、内外の連携度の高さも際立っていた。

「FE名古屋さんは力のあるチームで、僕たちの準備してきたことを上回るようなプレーをオフェンスでもディフェンスでもやってきました。相手のテンポに合わせたまま40分間やってしまったという感じがあるので、そこを改善しなければ勝利は見えてこないと思っています。」

試合後の中村の言葉通り、相手に合わせるのではなく、自分たちから流れを作ることは欠かせない。大勢のファンやブースターによる後押しがないアウェーだからこそ、そうした戦いぶりが必要であることを、再確認させられる一戦となっただろう。

良い守備で相手の流れを作らせず

スターターに#0遥天翼を起用して挑んだGAME2。ロボッツは序盤からハードなディフェンスを仕掛けることで試合を組み立て、相手の攻撃を食い止めにかかった。#6小林大祐や#25平尾充庸などが、しっかりと相手のボールマンに立ちはだかることで、FE名古屋はボールの動きを欠いたまま、ショットクロックを消費させられる展開となる。アウトサイドでパスを回してもロボッツの選手たちがしっかりとシュートチェックに入ることでワイドオープンからのシュートを打つこともできず、シュート自体も精度を欠くものが目立った。FE名古屋の前半の3ポイント成功率は10%(10本中1本成功)。ロボッツは、相手のリズムを作らせないことで、少しずつ試合の流れをたぐり寄せ始めた。

一方、オフェンスを牽引したのは、#11チェハーレス・タプスコットだった。チーム最多の25得点を叩き出した破壊力ももちろんだが、11リバウンドを記録し、攻撃の起点としても奮闘。さらには、インサイドに潜り込んだところからのアシストで、シューター陣の得点を演出。6つのアシストは、両チームを通じて最多となった。

また、ガード陣がボールを持つ展開の中では、#15マーク・トラソリーニが積極的にスクリーンを仕掛け、スペースを作り出す。ボールだけでなく、人もしっかり動くオフェンスを体現したことで、ペリメーターゾーンやペイントエリアでの勝負手も増えていく。3ポイント成功率は前日に引き続いて低い状態が続いたが(両日ともに28.6%)、シュートタッチが重い状況でも、でどうすれば得点を重ねられるかという問いに、「unselfish」を徹底するという形で答えを出してみせた。

後半になっても、ロボッツのエナジーの高いディフェンスは続く。FE名古屋はビッグマンを中心にオフェンスファウルを連発する事態となり、せっかくつかみかかった流れをロボッツに明け渡してしまう展開となった。2点リードという僅差で始まった第3クォーターだったが、このクォーターでFE名古屋の得点をわずか6点におさえたことで、ゲームの勢いは完全にロボッツのものとなった。

第4クォーターは若干点の取り合いの様相を見せたものの、終わってみれば55-75と、20点差をつけての勝利。得点こそシーズン平均を10点ほど下回る結果となったものの、失点は今季最少に抑え、上位陣を相手に「攻め勝つ」のではなく「守り勝つ」という新たな一面を見せるゲームとなった。リチャード・グレスマンHCは、試合をこう総括し、ディフェンスでの手応えを語った。

「昨日は残念な試合になってしまいましたが、今日はそこから切り替えて特にディフェンスで良い姿勢を持って挑めた試合でした。ディフェンスで誰か特定の選手が頑張るのではなく、チーム全体として良いメンタリティーを持ち続けられました。ディフェンスをやり続けたことで点差を離されず、また、うまく回らないオフェンスにディフェンスが影響されることもなく、後半にオフェンスが回り始めてもディフェンスで高いレベルを保ち続けることができました。」

「シュートが決まらないときにどうディフェンスの強度を保つかが、勝負の鍵を握ってくる」と、ディフェンスの必要性を説く選手も少なくない。練習の中だけでなく、試合、それも勝利の経験から得るものは、非常に大きかったのではないだろうか。

年内最後の戦い、ぜひとも連勝を

次節の福島ファイヤーボンズ戦で、長かったアウェー連戦にも一区切りが付く。しかし、福島も上位やプレーオフ圏内に食らいつくためには、なんとしてもロボッツを叩いておきたいところ。ロボッツをゲーム差3で追う立場とあって、並々ならぬ気迫で向かってくることだろう。福島は#0エリック・マーフィー、#15チリジ・ネパウェの両外国籍選手の得点力が大きな武器となっていて、この対戦でも大いに威力を発揮してくることだろう。ロボッツは内外角ともに激しいディフェンスを展開し、2人に対して隙を作らないようにしなくてはならない。

ロボッツのキーマンとなるのは#14髙橋祐二。持ち前のスピードから繰り出すディフェンス能力の高さは、今シーズンもたびたび見られている。彼がディフェンスで先手を打ち続け、相手を押していくことで、ディフェンス時の主導権を握っていきたいところだ。また、もう1人注目選手を挙げるとするならば、#29鶴巻啓太の奮闘にも注目したい。体格のある相手にも当たり負けしないディフェンス時のパワーや、リバウンドを果敢に奪う姿で、少ないプレータイムの中でチームに活気を与える。この2試合、ベンチを含めた総力戦で戦い抜き、なんとか勝利を掴み取って1年を締めくくってほしいものだ。

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