取材:文:荒 大 text by Masaru Ara
撮影:B.LEAGUE

ロボッツの年内最後のリーグ戦は、東地区でともにプレーオフ進出を争う福島ファイヤーボンズとの連戦だった。ロボッツは、2試合ともに粘り強いディフェンスから試合を組み立て、GAME1を90-72、GAME2を81-68と、連勝で2020年を締めくくった。年末のアウェー6連戦を5勝1敗で終え、東地区2位の座を堅持したロボッツ。厳しい戦いを勝ちきったという経験から生まれる成長は、ロボッツをまた一段高いレベルへと引き上げてくれるはずだ。

シュートタッチは不調も、流れは手放さず

GAME1の立ち上がり、「相手チームのディフェンスがすばらしかった」とリチャード・グレスマンHCが言葉を残したように、連敗ストップに燃える福島は、ディフェンスからしっかりとプレッシャーをかけ、ロボッツの選手たちに自由なシュートを打たせないことを徹底していた。第1クォーター、ロボッツが得意とする3ポイントシュートは、#29鶴巻啓太が決めた1本のみ(前半を通じてもこの1本のみ)。全体のシュートタッチ自体もやや重く、立ち上がりは13得点にとどまった。一方ディフェンスでは、お返しとばかりにロボッツは高い集中力を見せていく。個々のマッチアップで決して引き離されず、またビッグマンディフェンスに関しては、早め早めにヘルプが入ることで、タフショットに追い込んでいく。ビハインドにこそなったものの、大差とはならず、5点差で折り返せたことは後々になって効いてくるものだった。

第2クォーター、ロボッツは#11チェハーレス・タプスコットや#31アブドゥーラ・クウソーらが要所でファウルをうまく誘い、地道に得点を重ねる。対して、福島は#15チリジ・ネパウェの突破力に頼り出す場面が増え、徐々に得点パターンが単調になり始めた。その突破自体も、クウソーや#4小寺ハミルトンゲイリーが立ちはだかることで難しいものとなり、次第に流れはロボッツへと傾きだした。

後半、ロボッツはインサイドアタックに勝機を見出す。代わる代わるさまざまな選手が突破を仕掛け、福島のディフェンスにミスマッチを引き起こさせた。また、小寺が投入されたタイミングではタプスコットと#15マーク・トラソリーニによる「ビッグユニット」も披露。小寺が起点となったパスをしっかりと得点につなげ続けた。小寺はこの試合、13分あまりの出場ながら7つのアシストを記録。グレスマンHCは試合後、「小寺は非常に良いパサーである」と、彼の働きを讃えた。

その後、福島が攻めかかるところでターンオーバーを連発したことや、外国籍選手が次々にファウルトラブルに追い込まれたこともあり、後半はロボッツ優位のペースが続く。優勢の中でもディフェンスの手を緩めなかったロボッツは、最大19点のリードを作り出して、GAME1を勝ちきってみせた。試合後、#0遥天翼はこのように振り返る。

「前半、ディフェンスを崩さずに守りきったことでイーブンな状態で後半に入り、後半はそこにオフェンスがかみ合ってきたので結果的にリードを作ることもできました。ピックアンドロールをされたときのディフェンスの質を、今のロボッツが追求していることも、うまくいったのではないかと思います。」

ミスマッチをジャブのように効かせて

GAME2は、第1クォーターで福島の#0エリック・マーフィーが大奮闘をみせる。内外角を問わず攻め込み、3ポイントシュート3本を含む15得点を挙げる。まずは17-24と、福島がロボッツを突き放した。しかし、劣勢にこそなったが、ロボッツが醸し出すエナジーはまったく弱る気配がなかった。

ロボッツはこの日も、パスワークとドライブでインサイドを切り開くという攻撃パターンに活路を見出した。第2クォーター、小寺が入ったことでビッグユニットの状態を作り出し、福島の選手たちをおびき寄せると、#6小林大祐や#25平尾充庸がわずかなスペースを見逃さずにゴール下へと飛び込んでいく。一方で、攻守の切り替えが非常に早く、シュートチェックも効果的に行うことで、福島に対して得点を挙げさせない。14連続得点を記録したロボッツに対して、福島は攻撃そのものがちぐはぐとなり、このクォーターだけで6本のターンオーバーを記録。相手がラフになったところにもつけこみ、ロボッツはリードを奪って前半を終えてみせた。

後半に入っても、ロボッツのペースは止まらない。ディフェンスではローポストに簡単なボールを持ち込ませず、アウトサイドでのシュート精度勝負に持ち込ませる。福島は流れの中から得点を奪えず、一方ではビッグマンによる突破も封じられ、次第に攻撃が分断されていった。オフェンスにおいては、早いテンポで次々にパスをつなぎ、ボールと人を動かし続ける。そして、空いたスペースには迷わず突っ込み、得点へとつなげた。この試合、チーム最多タイとなる21得点を挙げた平尾は、試合後にこの日のプレーのテンポを意識的に早めていたと明かす。

「GAME1では、インサイドに来たときの相手のブロックや、寄せが早かったという印象がありました。それを受けて、GAME2では逆に寄られる前にドライブで行こうとしましたし、自分のドライブするテンポを早めてみたり、3ポイントを少し早めに打ってみたりと、少し調整した部分がいい形で出たのかなと思っています。」

試合を通じたロボッツの3ポイント成功率は20%と、外角からのシュートの精度はこの日も決して高くはなかった。しかし、チームはそこに立ち止まることなく、目の前の相手の隙を突くことにフォーカスしていた。ゴールに向かってスピードのミスマッチを積極的に作り出すことで、福島のディフェンスの強度を少しずつ削いでいく。それがジャブのように後々に響き、ヘルプの不足や遅れ、またイージーバスケットなど、ロボッツがリズムに乗っていく。タフに戦い続けることで、ロボッツは着実に試合の主導権を握っていったのである。

流れが決して良くはない中で、自ら流れを作り出し、試合をものにする。この2試合でロボッツがみせた戦いぶりは、強いチームにこそできるものだった。こうした戦いを積み上げていくことで、ロボッツはより力強いチームに生まれ変わっていくのではないだろうか。

新年の戦いはホームにて。熱戦を見逃すな!

年内のゲームはこれで最後となったが、息つく暇もなくシーズンは続く。年明けは1月2日・3日にホーム・アダストリアみとアリーナで、B2西地区6位の香川ファイブアローズを迎え撃つ。シーズン序盤に一度対戦している両チームではあるが、その時とは特に香川のチーム事情が大きく変わっている。香川は#30テレンス・ウッドベリーの合流以来、彼の爆発的な攻撃力を武器として、一気に上位を目指すポジションに上がってきた。また、#34兒玉貴通など、以前の対戦でロボッツを苦しめた選手たちも好調をキープしている。中盤戦にさしかかり、B2西地区の上位争いが混戦となっている中で、ロボッツを撃破して上位進出への足がかりを作りたいと目論んでいることだろう。

ロボッツとしては、ウッドベリーの爆発的な攻撃力を止めないことには、試合を勝ち取ることは難しくなる。彼に対しては、#0遥天翼や#31アブドゥーラ・クウソーなど、まずは守りからリズムを作れる選手たちが立ちはだかることで、相手に食らいつくことが必要になるはずだ。一方のロボッツも、#4小寺ハミルトンゲイリーの加入以来見せてきたビッグユニットが浸透し始め、攻撃の大きなオプションとなっている。一方ではシーズン序盤から見せてきた3ガードフォーメーションと合わせて、攻撃パターンを数多く見せていくことで、香川を振り切ってほしい。2021年正月ゲームに勝ち切り、目標とする「B2優勝・B1昇格」の目標に向け走りだしてほしいところだ。

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