女子バスケの世界で、プレーヤーとしても、指導者としても、輝かしい経歴を歩んできた小堺みさき。
2017年より、茨城ロボッツのアシスタントコーチを務めることになったことがきっかけで、男子バスケBリーグの世界へ。
2シーズンのトップチームアシスタントコーチを経てこの7月よりスクールU15育成コーチならびにROBOTS バスケットボールスクールコーチ(スクール事業 選手育成プログラムリーダー)を務めることとなった。
彼女が目指す"育成"とは。

小堺 みさき(こざかい みさき)
■出身地:東京都
■生年月日:1979年12月5日
■出身校:実戦学園高等学校
■プレー歴:富士通レッドウェーブ(WJBL)
■主な指導暦:
2007-15 立命館大学女子バスケットボール部ヘッドコーチ
2015-17アイシン・AWウィングス コーチ
2017-19 サイバーダイン茨城ロボッツ アシスタントコーチ
2019- 茨城ロボッツU15育成コーチ
実践学園高等学校時代から全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(ウィンターカップ)でベスト5に選出されるなど、実力を認められ、高校卒業後社会人女子トップリーグの道へ。WJBL富士通レッドウェーブでもWリーグ準優勝、天皇杯優勝・準優勝、さらにWリーグフリースロー賞受賞など、チームとしても、個人としても輝かしい成績を残す。
現役引退後は指導者の道を歩み、立命館大学女子バスケットボール部ではヘッドコーチを8年務め、
全日本学生選抜バスケットボール大会で関西選抜を指揮し、優勝するなど、多岐にわたって実績を残す。その後アイシン・AWウィングスのコーチやU23女子日本代表アシスタントコーチなど、女子バスケの世界での経験を積み、2017年より男子バスケの世界へ。トップチームで2シーズンアシスタントコーチを務めた後、今シーズンより育成コーチとして茨城ロボッツU15にジョインした。

小学校5年生のある日の出来事
-バスケの道で生きるきっかけになった幸運な1日-

「実は小学生の時に、女子の、当時の、今で言うWJBL、トップリーグのオールスター戦を観に行くチャンスがあったんです。
母親がチケットの抽選に当たったか何かで、代々木第2体育館に行きました。
その時に、当時日本で一番有名な選手で、のちにヨーロッパのプロリーグ(イタリア・セリエA)に行った加藤貴子さんがいらっしゃったんですけど、その方と写真を撮ることが出来たんです。
それで、ものすごい舞い上がって。
その後に原宿の駅で、今度はWNBAに行かれた萩原美樹子さんと遭遇して、写真を撮っていただいて、ものすごい嬉しくて。
お二人ともアトランタ五輪に出場されて、7位入賞にも貢献された方で、もう本当にすごかった、すごく上手で憧れていましたし、テレビで指をくわえて見ていたような方々なので。
それをきっかけに"私も同じようなリーグでやりたいな"っていうことを強く思うようになって、バスケットボール選手になることに夢を持つようになりました。絶対そこに行こうって」

小学5年生の小堺は、女子バスケの道を切り拓く活躍をしていた憧れの2選手と、それも同じ日に写真を撮ってもらうことができた、その経験に胸をトキめかせた。
「将来は絶対同じ道に進みたい。絶対に行く」
バスケの道で生きていきたい、そう固く決意した瞬間だった。

自分自身が衝撃を受けた「バスケの面白さ」
これを誰かに伝えなきゃもったいない!

小堺がバスケをはじめたきっかけは、当時ミニバスのコーチをしていた父親だった。
父親に無理やり連れられ、最初は気が進まないままはじめたバスケだったが、だんだん楽しくなり、いつしか大好きになり、そして小学5年生の運命的な日をきっかけに、バスケは彼女の生業となった。

「小学生の時は父親に本当に厳しく教えてもらっていたのですが、その後も指導者に結構恵まれてきたのかなって思っています」

“いい指導者との出会い”が小堺の今につながっているという。

「自分自身が指導者になるきっかけというか、それをもらったのは、やっぱり富士通時代に教わった李 玉慈 (い おくちゃ)さんという韓国の方だと思います。
その方と出会えたことが大きいです。ものすごく衝撃的な出会いでした。
もちろん色々な指導者の色があって、色んなことを教わったんですけど、本当に「バスケットボールって面白いんだ」って心から思ったこと、奥が深いなというか、ただ厳しいんじゃなくて、駆け引きするとか、騙したりするとか、色んな面白さを教えてもらいました。
それを自分だけで持ってるんじゃなくて、誰かに伝えないともったいないなって思ったのが、指導者になろうかなって思ったきっかけです。本当にすごく感謝してます」

今、指導者としてスクールやU15で子ども達の前に立ってバスケを教える際にも、小堺の頭の中には李玉慈氏の言葉が蘇ってくる。

「仲間に対してとか、ボールに対してとか、バスケットボールに対して「愛情を持ちなさい」ってことをすごい言われていました。
それはやっぱり常に私の中で持ってる、大切にしてることだと思ってます」

自分だからこそできること

女子バスケの世界でプレーヤーとしても指導者としても数々の経験を積み、男子バスケBリーグの茨城ロボッツトップチームでアシスタントコーチを経験した小堺。
自分しかできていない経験を強みに、今後指導者として"伝えられる""伝えていきたい"こともある。

「女子の世界の方がもう圧倒的に長いので、自分が女子に教えてあげられることもたくさんあると思っています。言ったことをすぐ出来るのは男子の方が圧倒的に早いので、男子を教える中ではそういう面白さはもちろんありますが、女子の方がきちんと基礎練習をすることの重要度が高いので、女子はやりがいがありますね。
先日女子代表戦が水戸でありましたが、あの代表選手たちのような洗練された動きを身につけるには、高校とかだともう遅いんですよね。きちんと積み重ねていった先にああいう動きができるようになる。
そこには本当に、運も影響してしまうところですが、いい指導者に出会えるかどうかっていうことがキーだと思っています」

小学生・中学生年代に子ども達が必ずといっていいほどぶつかる「できる」「できない」、試合に「出られる」「出られない」などという壁。そこに小堺はどういうアプローチをしていくのか。

「「自分はダメだ」「できない」そういう風に感じてしまうのは辛いことですよね。そうしないように仕向けたいなとずっと思っています。
常に周りに比べる存在がいて、実際に試合に出られる出られない、プレータイムが長い短い、というのはどうしても出てきてしまう、それはチームスポーツの難しいところなんですよね。
多分私自身がプレーヤーの立場だと、「全く試合に出られない」っていう状況になってしまうと、自分の存在価値を見いだせなくなってしまうと思うんですよね。
でも指導者側からすると、チームに例えば15人いるなら、15人全員に価値がある。「出れなくてもいい」っていうふうに多分言わないといけない場面もある。
自分がプレーヤーだと、そう言われたところでそう思えるかなって考えてしまうのですが、それでも指導者側からすると、やっぱりどんな子でも絶対に必要な存在なんだと思うんですよね、間違いなく。
5人では練習も出来ませんし、試合も出来ないですし。そこにどういう価値を見出してあげるかっていう、自分がいる価値っていうのを与えてあげるのはすごく大事なことかなと思いますね。

否定されたりとかっていうことって一番、殴られるよりも傷が残ることだと思うので。
ちゃんと肯定してあげて、いいところを伸ばしていく。そういうのは心がけています」

運命的な小学5年生の日をきっかけに、バスケットボールの世界で生きる小堺みさき。
言葉の端々からバスケに対するリスペクト、愛情が溢れ出る。
自分がバスケから学んだこと、
本気で勝負と向き合うからこそ出会える「面白さ」を伝えていきたい、そんな強い思いを持って、今年、ロボッツの育成強化をリーダーとして引っ張っていく決意をし、彼女の新たな挑戦が始まった。
未来を担う子どもたちにとって、"いい指導者との出会い"は小堺みさきとの出会いなのかもしれない。

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