ANOTHER FACE~一心同体な中大コンビ~

一心同体(異なったものが一つの心、同じ体のような強固な結合をすること)。この言葉がぴったり合うコンビが中央大学出身の#13 中村功平選手、#29 鶴巻啓太選手だ。「公私ともにずっと一緒にいる(笑)」と口をそろえる二人。茨城ロボッツで再会を果たした仲良しコンビの出会いから現在を振り返る。

第一印象は…

中村選手は山口県出身、鶴巻選手は茨城県出身とルーツが異なる二人が出会ったのは高校3年次のU18日・韓・中ジュニア交流競技大会の合宿。「2人組の練習でたまたま自分と鶴巻が残った。怖くてあの時はあまり話せなかった」と中村選手。対する鶴巻選手は、「全く覚えてない(笑)」と苦笑い。「自分は話しかけたけど功平があまり返してくれなかった記憶がある」と第一印象は互いに微妙なものになったという。

最初から2人は仲が良かったわけではないが、実力は互いに認めていた。「功平は当時から左利きならではのドライブの独特なリズム感があって上手かった」、「鶴巻はサイズがあるのにかなり動けるタイプの選手。大学に入っても強気に上級生に向かっていってすごいと思った」と褒め合い、照れ笑いを見せた。 その後、高校での対戦もなく、中央大学の入試でもあまり話すことなく2人は入学を迎えた。

大学入学~仲良し二人組の誕生~

2015年4月、二人は晴れて中央大学に入学。3回のインカレ優勝を誇る中央大学バスケットボール部に入部した。寮生活を共にする2人が仲良くなるのも時間はかからなかった。オフの日はカラオケや映画で時間を過ごし、暇さえあれば連絡を取り、互いの部屋を行き来した。「映画館に行くと功平はポップコーンをめちゃくちゃ食べる。期間限定で出たありえないくらい大きいポップコーンを1人で食べきっていた」と思い出話に花を咲かせる。

そんな2人の大学バスケ。先に主力として活躍したのは鶴巻選手。1年次の関東大学選手権大会の日本大学戦でスターティングメンバ―に抜擢。6得点5リバウンドと活躍を見せた。中村選手も2年次の関東大学リーグ戦から主力として活躍を見せ、2年次の関東大学新人戦や4年次の関東大学選手権大会で準優勝するなど結果を残した。特に4年次の関東大学選手権大会で中村選手は3Pシュート、ドライブ、アシストで活躍し敢闘賞、鶴巻選手も優秀選手を獲得。中大フィーバーを巻き起こした。 そして迎えたリーグ戦。4年生で初めて1部リーグで戦い健闘を見せるも、12チーム中11位で再び2部降格。「チーム全体でサイズが小さくリバウンドで苦戦した」と鶴巻選手は大会を振り返る。「大会を通してリズムがつかめずチームを引っ張れなかった」と中村選手。最終試合終了後は悔しさのあまり涙を流した。こうして2人の大学バスケは静かに幕を下ろした。

プロの舞台での再会

2018-2019シーズンに2人は特別指定選手としてBリーグに加入。中村選手は滋賀レイクスターズ、鶴巻選手は茨城ロボッツと契約を結んだ。当時、茨城ロボッツはB2だったため、試合で顔を合わすこともなく互いに別の道を歩むことになる。

転機が訪れたのは、2020年5月。中村選手のロボッツ加入が発表。「また功平とプレーできるのも楽しみだったし、プライベートでも遊べるのも楽しみだった」と鶴巻選手は再会を喜んだ。「鶴巻に久しぶりに会ったら面白ひょうきんキャラになっていてビックリした(笑)」と中村選手は移籍当時を思い出す。

再びチームメイトとなって1年9ヶ月。2人は大学時そのままに常に一緒にいる。「最近はオフシーズンにゴルフの打ちっぱなしや釣りなどに2人で行く」と少し大人の休日を過ごすようになった。「日用品の買い物も2人で行く(笑)」とプライベートでも一心同体だ。「自分がパスを出して鶴巻にアリウープを決めてほしい」と中村選手。長年プレーを共にした2人の一心同体のプレーを試合で期待する。

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