新生タッグが見るRDT第2章

写真:茨城ロボッツ photo by IBARAKIROBOTS

RDTを創成期から牽引したNONディレクターが2021-22シーズンをもって勇退。そのバトンを受けて、RDTのディレクターに就任したのは、熊瀬成美・三上結以の二人だった。チアダンス経験・指導歴も豊富な二人のディレクターの人柄と、今シーズン、そしてこれからのRDT像に迫る。

二人にとってのチアダンス

写真左:三上結以ディレクター、写真右:熊瀬成美ディレクター

ーまずはじめにお二人の簡単な経歴を教えてください。

熊瀬D:5歳からクラシックバレエを始め、18歳ごろから様々なジャンルのダンスを始めました。その後、劇団四季に合格し、そのまま舞台俳優として勉強しつつ、退団後に横浜ベイスターズ専属チアダンスチーム(現:横浜DeNAベイスターズ)のオーディションを受けたことがきっかけでチアダンスの世界に入りました。そこからバレーやバスケ、当時のbjリーグのチームなどで活動させていただき、指導者に転向後は、自身主宰のスクールを立ち上げ、チアダンスやチアリーディング、ダンスなどジャンル問わず指導させていただいていました。一度妊娠・出産で現役を引退し、現場から離れましたが、今回RDTディレクターのお話をいただき、現在に至ります。

三上D3歳からクラシックバレエを始めて、20歳ごろまで続け、大学では舞踊を専攻。バレエ以外にもモダンダンス、コンテンポラリーを学びました。卒業後は舞台系のダンスやテレビやCMにトライしていましたが、2008年に埼玉西武ライオンズのオーディションを受け、チアダンスを始めました。その後、千葉ジェッツの初代チアダンスチームのオーディションを受け、合格し1年間STAR JETSで活動しました。この頃に、チアダンス指導を始め、STAR JETSで活動しながらチアダンスを教えて、2014年に独立して自分のスクールを立ち上げました。

ーお二人とも元々クラシックバレエをやられていたとのことですが、チアダンスを始めた理由・その時の気持ちを教えてください。

熊瀬Dチアダンスを始める前に劇団四季に所属していたのですが、退団後今まで自分自身が経験したことのないダンスジャンルにチャレンジしたいという思いが強くありました。当時、横浜に住んでいたので、 横浜ベイスターズ専属チアダンスチームのオーディション募集を目にしたことがきっかけです。全くチアダンスというものを知らなかったので、受かる落ちるに関係なく、新しい世界に飛び込んでみようと思いオーディションを受けました。オーディションの中でも学ぶことが多く、こんなに楽しくて自由で、思い切り表現ができる場所があるのかと感動しました。本当に学びのある大変満足のいく経験でした。

三上D私もオーディションを受けたときにチアダンスが何なのかわかっていない状態でした。チアダンスのオーディションを受けたのも、幼馴染が前の年に違うプロ野球チームでチアダンスをしていたのでそういったお仕事もあるのかと知り、オーディションを受けました。

ーチアダンスは他のダンスとどのような違いがありますか?

三上Dベースは基本的にバレエですが、チアダンス特有のアームモーション、ポンポンをどう魅せるのかなどの視覚的動き、構成、フリの作り方などは他のダンスとは異なります。それに加えて声を出して踊ったり、人を元気にする応援のスピリットだったりは、私の経験してきたクラシックバレエやコンテンポラリーなどの、芸術性の高いダンスとは違いすごく新鮮でした。熊瀬同様チアダンスを始めた当初はすごく感動しました。心にグっとくるものがありました。

熊瀬Dエンターテインメント性もありつつ、アスリート性もあると感じています。チアと言っても、チアダンスとチアリーディングに分かれますが、両方ともアスリート性があります。また、「応援する、笑顔で元気にする」などの普通のダンスとは違った魅力があります。パフォーマンスのアツさも魅力の一つだと思います!

RDTディレクター就任

ー2022年8月26日にRDTディレクターに就任されました。就任のお話があったときの率直な気持ちを聞かせてください。

熊瀬D:今までジャンル問わず、色々な現場をお互いに経験していく中で、エンターテインメントというものは多くの人々を楽しませる、なくてはならないものだと実感してきました。スポーツチアではスポーツならではアツさや感動、心滾る熱狂があり、その熱さを経験した現役時代から、「エンターテインメントとスポーツを融合した今までにない新しいチアダンスチームを作ってみたい」、「チアだけではなく、スポーツエンターテインメント業界をもっと盛り上げたい!」という強い気持ちがありました。

また、私たち2人は子育て中の母親でもありますが、子育て中の女性が社会復帰や仕事の継続をするにはまだまだ課題の残る社会だと痛感してます。結婚や出産、子育てで一度は仕事を離れる仲間も実際には多いです。そして一度離れてしまうとなかなか戻りづらい、復帰が難しいという現実もあると感じています。「子育て中でも問題なく活動、活躍ができる」ということを私たち自身で証明し、色々な事にチャレンジしていく姿を後輩含め若手の子達に背中を見せていけたらと思いディレクターという新しい挑戦に踏み切りました。
女性の社会進出の一つの場として、RDTやチアインストラクターの後継者を育てていく為には、例えチームや職場を離れたとしても、またすぐに戻って来られる、また安心して離れられる場所を作っていきたいとも考えています。私たちは、茨城ロボッツもRDTも今後さらに愛され、茨城県誇りのスポーツチームとして末永く続いていくチームだと確信しています。そのような素晴らしいチームに関わらせていただくことに心から感謝しています。

ーお二人が指導されるうえで大切にされていることは何ですか?

三上D:音を捉えることを大切にしています。踊るだけでなく、どのようなメロディーラインなのか、どういった歌詞なのか、その上でどういうカウントの取り方なのか、どういう表情なのかを大切にしています。ダンスを指導する際は、短い言葉で的確に、身体に入るまで繰り返し伝えています。

熊瀬D:短く分かりやすくスパッと言うから伝わるし、その場で的確な指示を伝えるので三上Dの指導、伝え方は見ていて清々しいです。私達はディレクターとして、指導者として視野を広く大きく持ち、メンバーや生徒たち以上に学び続け努力をし続けることを大切にしています。経験や経歴が全てではないと考えているので、メンバーや生徒たち、若手の後輩たちからもどんどんと新しいことを学んでいますし、これからも一緒に学び成長したいと思っています。一人一人の個性を大切に、のびのびと楽しんでパフォーマンスや活動ができるようにサポートしています。また、チアも含めエンターテインメントに"絶対"はないので、押し付け、決め付けはしないように心掛けています。メンバーを含め、関係する全ての人たちと人と人とのつながりや関係性を大切にしながら正面から向き合っています。

ーそしてRDTにディレクターとして参加しました。これまで8ヶ月ともに過ごし、RDTはどのようなチームだと感じますか?

熊瀬D:最初に会ったときは、緊張もあったと思うのですが、静かで真面目だなと思いました。ただ、人の話を真面目に聞いて、一生懸命に練習をする彼女たちの姿を見て、大人になって忘れてしまっていた直向きさや真面目さを思い出しました。

三上D:人柄の印象は熊瀬Dと同じです。仲が良く、和気あいあいとしているのは最初から変わらないですが、最近はスイッチの切り替えがすごく上手になったと思います。パフォーマンス時はすごく集中しており、その中でお互い意見を出し合えるようになってきました。

熊瀬D:ストレートに意見を伝えて、メンバー同士がすごく向き合っています。

三上D:できなくて悔し涙を流しているメンバーもいるね。

熊瀬D:ただ、その分楽しいものは今までより倍楽しい、悔しいものは倍悔しい、みんなで一緒に笑って泣いて成長しています。それを見て自分も悔しくて頑張りますし、前向きな姿や熱い気持ちがでていると思います。その中に面白さもあります。メンバー全員声も大きいし、元気いっぱいで、素晴らしいです。

ー開幕戦からそのようなメンバーを見てきて成長を感じる部分はありますか?

三上D:パフォーマンスへの向き合い方が最初の頃から成長したと感じます。チアスピリットとしてチームを盛り上げたい、ブースターさんを引っ張りたいといった部分は強く感じていたのですが、パフォーマンスに対しても、より重きが置かれすごく向き合っていると思います。

熊瀬D:また、表現力の幅が広がったと思います。各個人の個性が出るようになりました。色んなジャンルのパフォーマンスを今季やっていますが、音楽に合わせてたり、振り付けを自分たちなりに解釈して表現しようといった姿勢が見られます。同じ曲でも、違った見せ方をしてくれてパフォーマンスを見るのが楽しみです。楽しんで踊ることも大切ですが、音を聞いて人の心を動かすには、自分自身が楽しんでいるという気持ちもすごく大切。メンバーのみんなは表現できている思うので、今後もその気持を大切にしてパフォーマンスしてほしいです。

三上D:パフォーマンスのジャンルをイベントごと、曲ごとに変え、色んな種類の曲や世界観を打ち出しているのに対して、想像しているもの以上を出してきてくれるので、そこは強みだと思います。

熊瀬D:枠にとらわれないエンターテインメントというのを出せています。先行き楽しみなチームだなと思います。

ここからもう一歩先へ

ー今後の展望としてどのようなことを考えていますか?

熊瀬D三上D:スポーツエンターテインメントの最前線を駆け抜けるチームにしていきたいなと思っています。茨城ロボッツのホームゲーム会場は一歩踏み入れるとテーマパークに来たようなワクワク感があります。アリーナ内での演出では、音楽・照明・空間・応援全てにおいて美しくもあり、洗練された非日常空間になっているなとすごく感じています。空間から感じる熱気や感動をキャッチし、さらなる感動を与えられるようなパフォーマンスをしていきつつ、常に新しい感動を与えられるようなスポーツエンターテインメントの最前線を駆け抜けるチームにしていきたいなと思っています。

ー4月からオーディションの募集も始まりました。どのような方に来ていただきたいですか?

熊瀬D:とにかく私達と”仲間”になってくれる熱意のある方に来てほしいです。ロボッツ大好き、絶対にやりたい、メンバーに入りたい、RDT大好き、なんでもいいのでとにかくアツいやる気のある人。自信があるものを熱意を持って来てくれる方が嬉しいなと思います。沢山の方々に出会えることを楽しみにしています。

三上D:ロボッツに興味を持ってあわよくば試合とかを見に来てくれて、そこから引き込まれて一つでもなにかきっかけがあって好きになってくれたらぜひ来てほしいです。そこからもっと好きにさせる自信があるので。

熊瀬D:沼らせます(笑)

ー最後にブースターにメッセージをお願いします。

熊瀬D三上D:いつもRDTを熱く、温かく応援していただきありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。RDTはまだまだ未知のパワーを秘めているチームだと思っています。今後が楽しみなチームだと思っているので、ブースターの皆さまもその他の関わる全ての方に愛とパワーそして感動を与えられるように、チーム一丸となり今後も頑張っていきたいと思いますので、今後もよろしくお願いいたします。GO!GO!ROBOTS!

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