ーまずはじめに一誠商事が茨城ロボッツを応援する理由を教えてください。
一誠商事代表取締役 五十嵐徹さま(以下敬称略):当社ではCSR活動が一番優先順位が高いと思っています。お陰様で会社も大きくなり、当社が社会的責任をどのように果たせるかを考える中で、スポーツを通じて色々な部分で貢献をさせて頂ければと思いました。ロボッツさんは元々つくば、今は「茨城ロボッツ」として水戸を拠点に活動されていますが、私たちも地元茨城県のスポーツを応援したいという気持ちでいます。県域テレビ局がない中でのブランディングや知名度向上、当社も水戸進出に併せロボッツさんを応援することにより、「一誠商事はロボッツのスポンサーなんだ」と周知いただくことで、当社に対する知名度が上がっていけばいいなと思っています。
茨城ロボッツ代表取締役社長 西村大介(以下敬称略):まず、応援をしていただいているということは本当にありがたいと思っています。私はスポーツの持ってる力は3つあると思います。1つ目は「地域を元気にする」、「地域のロイヤリティを高める」という点です。普段、県内で生活していて、「茨城頑張れ」と地域のことを意識することは少ないと思います。しかし、東京オリンピックや今年のWBCもそうですが、「日本頑張れ」や「日本人で良かったな」と思うことはスポーツならではの感情だと思います。そのように地域を背負って戦うことで皆さんが地域を意識し、あるいは地域を応援し、そういったロイヤリティを上げることができると思います。先程お話いただいた地域の活性化や、地域にお名前を出していただくことに使っていただけると思います。2つ目は情報発信です。ゴールデンタイムのニュース番組では、必ずスポーツの時間枠が10〜15分確保されます。3つ目は「人をエンカレッジする力」と私は言っていますが、よくスポーツを見ていて「感動する」、もっと言えば大谷選手を見ていて「明日も頑張ろう」と、何も関係ないのですが、ついそう思うことは多いと思います。人が勇気づけられる活力になると思いますので、我々の 「人をエンカレッジする力」と一誠商事さんが一緒に組ませていただくことで色々な貢献をさせていただきたいです。
ーその中で茨城ロボッツに期待したい部分はありますか?
五十嵐さま: 私も商売人なので、商売運を意識しています。その中で、ロボッツさんに勝ち越ししていただけると商売にも良い運が来るのではないかと感じながら応援させていただいています。そういう意味では(2022-23シーズンは)B1上がって2シーズン目ですかね、だんだん慣れてきて実力も発揮されていると思うのですが、上を目指して頑張っていただいて勝運を持ってきていただけると私としては大変嬉しく思います。
ー茨城ロボッツのスポンサーになったことで社員さんの中の変化などはありましたか?
五十嵐さま:申し訳ないのですが、まだまだ自分たちの勤めている会社が茨城ロボッツを応援しているといった熱は社員には伝わっていないと感じています。当社のロボッツさんとのやり取りを担当している部署ともっと会社として応援する策を練っています。商売上、試合のある週末に当社は休めないので、可能な範囲で会社の一体感を醸成する一つのツールとして使わせていただきながら、応援できれば両者にとってメリットがあると思うので、そういった形でやっていけたらと考えています。
西村:そうですね、皆さんで来ていただき、一体感となって同じチームを応援できるということは中々無いと思うので、そういったことで活用していただければと思います。そのためには我々自身が魅力のあるクラブにならなければいけないですし、もし我々が日本一になるときには、多分「うちの会社がスポンサーしているんだよ」と誇らしげに、ご自身で進んでご来場いただけると思いますので、そういう意味でも先ほどお話しがあったようにやはり勝たなければいけないと常々思っております。
五十嵐さま:よろしくお願いします(笑)。今のところは新入社員研修の一環として応援を組み込ませていただいてるくらいしか会社の公式的な行事としてはやれてませんので、今後社内で新入社員だけでなく、既存の社員全員が関わり合う形でご支援できればと思います。
ー2016年に茨城ロボッツは水戸市に拠点を移し、7シーズンを戦いました。水戸に拠点を移す前と後、そしてB1に昇格してからの変化などはありますか?
西村:そうですね、水戸が寂れてきている中、「水戸ど真ん中再生プロジェクト」の第一弾として我々が入ってきたことも含め、やはりシャッター街から徐々に活力を取り戻しつつあると思います。皆さんの話題には、挨拶の次にロボッツの話題を組み込んでいただけることも多くなりました。特に今年は3000人以上のお客さんに入っていただき、新規の方も多いので、「水戸にもこんなエンターテインメントがあるのか」と、水戸市自体を見直したというお言葉をいただくことが多くなった気がします。
五十嵐さま:ロボッツさんの以前の拠点であるつくば市は歴史的にみればまだまだ若い街なので、色々な方が入ってきて、その方々の一体感を醸成するのであればいいかなと思います。逆にロボッツは時期が早すぎたのかもしれませんね。つくばでは中々上手くいかず、水戸に来たら「おらが街のチーム」ということで、一生懸命応援しているなと感じます。
西村:それは周りの人たちからもよく言われます。何より水戸の人たちが、基本的には水戸からつくばに色々なものが、支店だったり、人が出ていく中で、「なんでつくばから来てくれたの?」と聞かれることも多いです。大事にしなければいけないと思っていただき、愛されているなと感じています。
ー一誠商事さんは昨年50周年を迎えました。今後どのような未来を思い描いていますか?
五十嵐さま:当社は昨年50周年を迎えさせていただいて、東京にもオフィスを構えさせていただきました。また、不動産免許として茨城県知事免許を持っていますが、県外でも複数にまたがったエリアで営業ができる大臣免許に切り替えようとしています。ロボッツさんがB1に昇格し、全国展開すると思うのですが、当社も全国とは言わないまでも茨城県からどんどん広げていき、拡大していければ。ロボッツさんと比例関係で行ければいいなと思います。
西村:少し話がずれるかもしれませんが、Bリーグはここから改革に入ります。従来の「Jリーグ型」だったものを2026年から「プロ野球型」へ移行します。昇降格がなくなり、最大18チームでリーグ戦を戦います。この改革により、ファン層も全国区へ拡大するのではないかと思います。東京に住んでるからと言って絶対に巨人・ヤクルトのファンかと言うと違いますし、茨城県民でも、巨人のファン・ヤクルトのファン、広島のファン・ホークスのファンもいます。新B1に入ることでより広いファン層が出来てくるかなと思います。
五十嵐さま:Jリーグ方式のほうが地域に勢いを乗せやすいのではと素人的には思うのですが、プロ野球方式のほうが浅く広く全国的に拡大しやすいということなのでしょうか?
西村:そうですね、私自身はそう思います。例えば広島カープですが、2018年にセ・リーグ3連覇を達成されましたが、そこから今では最もチケットが取りにくい球団となりました。広島県出身者だったり、広島ファンが全国にも沢山いるのでビジターでも人気です。「地域そのものを元気にする」、「その地域を知ってもらう」ことによってファンが増えます。ホークスを見てみても、ホークスが好きだから福岡に行ってみようかという人も多いです。そんな形でロボッツも、「何となくあのチーム好きだし」、「何となくあのチーム強いから好きだな、じゃあロボッツのホームゲーム行ってみようかな」と、北海道の人が来たり、東京の人が来たりする。そういったことはかなり多くなってくると思います。
五十嵐さま:そうなるとやはり一朝一夕には行かなくて、広島の人が広島じゃないところに住んでいるのは歴史があるわけですよね。幼い頃は住んでいて、今は大学生・社会人だけど東京にいて、広島が好きだということになる。新B1も1、2年ではなく、10、20年のスパンでファンを獲得していき、ファンになった人がどこに行ってもファンでい続けてくれる魅力的なリーグである必要があるということですよね。
西村:全くおっしゃるとおりだと思います。
ー茨城におけるロボッツの現状と理想はなんでしょうか?
西村:我々はまだ24クラブ中18位くらいなのですが、最終的なモデルは鹿島アントラーズさんかと思います。我々鹿行地区でも試合をするのですが、新B1の話をすると、鹿行地区の方もすごく応援してくれます。なんでこんなに応援してくださるんですかと聞くと、彼らは「今もしこの街にアントラーズがなかったらゾッとする。風景や地域の愛や誇り、子どもたちの夢などすべて変わっている。30年前にアントラーズがこの地域に来てくれたおかげだ」と言います。あなた方が挑戦していることはロボッツに利益があるということだけでなく、街の風景を作ってる、街の形を作る作業をしていると。それを手伝わないといけないし、それが茨城県のためにもなるから頑張ってねと話していただきます。我々が今何を求めていくかと言うと、まずは勝つこと。メジャーになること。そうすることで街や県を元気にし、みんながロボッツを誇りを思ってくれるようなクラブにしていきたいと思います。
ー一誠商事さんは今後どのようなことを成し遂げようとしていますか?
五十嵐さま:当社も50周年を迎えてこれからどうしていこうと考えた時、県外に目を向けるという話をさせていただきましたが、ベースは茨城なんですよね。茨城の同業他社さんと切磋琢磨し、やはり最終的には同業他社より良いサービスをして茨城のNo.1を目指していきたいです。なので、ロボッツさんもBリーグのNo.1を目指していただければと思います。